Google社からインターネット界を瞠目させる Googleマップを2005年から提供し始めたことは 本ブログ2012年1月17日の記事 Googleマップの登場とGIS に取り上げました。 これが単なる地図サービスに止まらぬことは 当該記事内にも記しました。 技術的には勿論、時には災害時に重宝され、 時にはITベンチャーからはマッシュアップなる技法を以て 自社サービスに組み入れることが出来たのです。
Googleマップの与えたインパクト
そのインパクトの大きさは姉妹ブログ ホームページ作成浜松Tips の2009年4月9日の記事 SEO対策変化の一例/ユニバーサル検索 にも記録されています。
ネット上の説明に多少異同は有りますが、 記事に記される ユニバーサル検索 は…
検索結果にホームページタイトルが並ぶのみならずして Googleマップが表示され検索キーワードに関連したお店が 地図上に表示されること、 パーソナライズ検索 は検索者の検索履歴や現在位置によって検索結果が最適化されて表示されること、 と言って良いでしょう。
即ち、実に使い易いオンライン地図、と言う 掛け替えのない自社独自リソースを手に入れたことに依って Googleは主要サービスの検索エンジンに便利な機能を加え得て 新たな競争力の源泉とすることを可能としたのでした。
新たな競争力の源泉 Googleプレイス
そしてその新たな競争力の源泉は今 Google プレイス として結実しています。 ここにはGoogleプレイスについて簡単に
- お店や場所に関する情報をまとめたサービスであること
- 電話番号や地図、写真レビューなどをひとまとめに見ることができること
- モバイルからでも PC からも利用することが可能であること
Internet WatchにはGoogleマップの沿革を知るに足る記事が2005年10月6日に 「Googleローカル」と「Googleマップ」の技術を統合 として配信されています。 此処に現在のGoogleプレイスの原型を見ることは難しいことではないでしょう。
Googleプレイスを一ユーザーとしてお店を探したり、 お店を評価したり、お店情報を共有したりするのに利用する際には Googleプレイス:あなたのプレイス から、お店を経営していれば Googleプレイス:おみせのオーナーの方へ から登録することが出来ます。
Googleプレイスの破壊力
例えば貴方が浜松市のラーメン屋さんでGoogleプレイスにお店を登録していれば 誰かが浜松にいてラーメンで検索したときに検索結果の一つとして表示された地図の上には 貴方のお店の情報が掲載される、という寸法です。 今や人々は様々な情報を得るために検索エンジンを利用するのは当たり前です。 そうとなればお店の経営者はちょっとここに登録しないと拙かろう、 という気持ちになってしまうのではないでしょうか?
Google社は大手検索エンジン提供企業として グローバルにビジネスを展開していました。 そしてGoogleマップを手に入れたとき、 それを位置情報サービスに利用することで グローバル企業でありながら地域に密着したサービス提供にも 活かすことが可能であると気付いたのです。
このGoogleプレイスという位置情報サービスの有用性は 今や自他共に認められました。 それもあってか本ブログにもカテゴライズする みんビズ(みんなのビジネスオンライン) というGoogle社とKDDIが協働して提供するサービスに 登録する際には自動的にGoogleプレイスに迄、登録され、 利用者に喜ばれる処となっています。
本ブログでは 食べログ について数度、メインの主題としては
- 食べログのレビューに怒れる担担麺(2011年9月8日)
- カカクコム食べログでステマ(ステルスマーケティング)問題発生(2012年1月5日)
前者は食べログに掲載されたレビューについて当該店のご主人が立腹しているもので、 後者はマスコミでも取り上げられましたからご存知でしょう、例の ステマ 問題についての記事です。 孰れにせよ、その影響力が大きいだけに それが個人であろうと組織であろうと反応も大きいことが知れます。 後者はテレビで何故あれだけ騒がれたのか? 注目されているからに他なりませんし、それは今や 消費者庁 をも巻き込んでいます。 飲食店カテゴリー一つとっても その影響力は計り知れないことが分かります。
対するYahooロコ
ここでGoogleプレイスに追い付き、追い越せ、と登場したのが Yahoo!ロコ でした。 店舗を経営するオーナー用の登録ページがあることはこの種類のサービスの特徴です。 Yahoo!ロコの場合はそれが Yahoo!ロコ プレイス になります。 無料のエントリープランも有りますし、 有料のスタンダードプランも有り、Yahoo!社はこの営業に力を入れていると聞きもします。 それだけ企業体に取って重要なサービスとなり得る訳です。
このYahoo!ロコが開始されたのは去年2011年の6月1日です。 当時の様子がインプレスInternetWatchの同日付の記事 ヤフー、地域情報サービス「Yahoo!ロコ」開始、地図やグルメなど7サービス統合 に詳しく伝えられています。
記事に依ればYahoo!ロコはそれ迄のYahoo!の提供していた 地域情報サービスが統合されたものであり、統合されたのは以下
- Yahoo!地図
- Yahoo!地域情報
- Yahoo!道路交通情報
- Yahoo!グルメ
- Yahoo!クーポン
- Yahoo!電話帳
- Yahoo!マチモバ
実はYahoo!社でも古くから地図情報はサービスとして提供していました。 Googleマップの登場以前に多く利用されていたサービスでもあったのです。 地図情報はアルプス社のものを利用しそしてYahoo!社は同社を吸収合併したことからも 地図の情報としての重要さに気付いていたことは疑うべくもありません。 それだけにGoogleマップの登場に最も衝撃を受けたのはYahoo!社だったのではないでしょうか。 検索エンジンに続き地図迄も…と言う訳です。
それからYahoo!社もただ手を拱いていた訳ではありません。 以下に列挙するインプレスInternetWatchの一連の記事がそれを証明しています。
- Yahoo!地図情報、地域情報の検索機能を統合(2007/06/12)
- 「Yahoo!地図情報」が航空写真を拡充、3社から提供受け「いいとこどり」(2007/12/25)
- 地図のアルプス社が4月1日で解散、ヤフーに吸収合併(2008/01/30)
- ミニ地図帳の印刷機能や地下街マップを追加、「プロアトラス」最新版(2008/05/27)
そして初めてGoogleマップに対抗し得る洗練された地図情報サイトとなった Yahoo!地図情報は10周年を迎えた2008年6月4日にリニューアル、 ネーミングもシンプルに Yahoo!地図 として生まれ変わったのでした。 当時の情報は同日のインプレスインターネットWatchの記事 Yahoo! JAPANの地図サイト、名称を変更してリニューアル ブログへの地図貼り付けも可能に に詳しくあります。 このように長い歴史を経たYahoo!地図が2011年の6月1日に 満を持してYahoo!ロコに統合されたのでした。
クリック&モルタルからO2Oへ
何故このように検索エンジン大手が挙って位置情報サービスに血道を上げるのか? それは位置情報サービスこそバーチャルとリアルを繋ぐ鍵であるからに違いありません。 地図を以てしてこそ検索からネットショップを代表とされるオンライン上サービスで完結していた商行為が 現実の店舗への実際の顧客の来店を招くことが可能になるからです。
古くはこれを クリック・アンド・モルタル と呼んでいました。 しかし今やこの概念は O2O(オーツーオー:オンライン・トゥー・オフライン) と呼ばれるようになっています。 この概念の進展には与って位置情報サービスの力があることは間違いありません。
位置情報サービスまとめのまとめ2012年版
去年2011年がスマホ元年というべく大いにスマートフォンの普及が促進されたのは本ブログにも幾度か言及した処です。この小型高性能コンピュータを人々が常時携帯するようになり、ライフスタイルも大きく様変わりを見せ始めています。その一つの要因が位置情報サービスにある
Google、Yahoo、Bingの地図データとゼンリン社
Yahoo!社が地図情報のアルプス社を2008年4月に吸収合併したことは本ブログ2012年2月4日の記事GoogleプレイスとYahooロコ~鎬を削る位置情報サービスにお伝えしました。2004年12月に民事再生法の手続きを申請したアルプス社はYahoo!社に救済され2005年1月に子会社化していた同
GoogleがGoogle+やZagatなどローカル情報の統合を推進
インターネット企業がネット内に留まらず影響力を実店舗に及ぼそうとしています。それは単純に経済ボリュームの拡大でもあり、インターネットが生活に欠かせないものとの周知が可能にしています。実店舗への商圏拡大に有用な位置情報サービス本ブログには2011年7月6日の記事