去年2011年がスマホ元年というべく 大いにスマートフォンの普及が促進されたのは 本ブログにも幾度か言及した処です。 この小型高性能コンピュータを人々が常時携帯するようになり、 ライフスタイルも大きく様変わりを見せ始めています。
その一つの要因が位置情報サービスにあることは疑い得ません。 人々が携えたスマホは人々の位置を把握しているのです。 本記事では位置情報サービスの概要を知るべく 幾つか既に識者に依りまとめられている記事を更にまとめてみたいと思います。
ループス斉藤氏に依るまとめ
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役の斉藤徹氏に依る オルタナティブブログ、In the looopの2010年4月6日の記事 位置情報サービスで注目される14アプリ総まとめ。 がかなり早い時期のまとめと思われます。
この中のガートナー社の分析で 既に位置認識サービスが成熟期に入っているとされるのが面白い処です。 これは 位置認識サービス という名前からも明らかなようにGPS等を用いた 測位系に関するサービスとも読み取れるでしょう。 測位した結果に依りその位置に応じたサービスを展開する 位置情報サービス とはまた異なるものとして捉えれば位置情報サービスというものの 位置付けも自ずと明らかになると考えます。
斉藤氏は以下のように四つに位置情報サービスをカテゴライズしています。
- コミュニティ系
- Foursquare
- Gowalla
- BlightKite
- Mytown
- Loopt
- zillow
- whrrl
- Rally-Up
- ポータル系
- yelp
- 食べログ
- ぐるなび
- 30min
- yahooグルメ
- ゲーム系
- まちつく
- コロニーな生活☆プラス(コロプラ)
- グルメくじ
- ケータイ国盗り合戦
- ケートラ
- AR系
- セカイカメラ
- Layer
- nearestwiki
- pin@clip
- 東京の地下鉄
はてな栗栖氏に依るまとめ
株式会社はてなで はてなココ と言う位置情報サービスを担当される栗栖義臣氏による gihyo.jp の特集 位置情報サービスのはじめ方 の第1回の記事が2010年9月30日に配信された 今,位置情報が熱い! で特集自体は技術的な内容が主ですが、 この第1回ではまとめ的なアプローチが取られています。
連載に於いては位置情報サービスを ユーザーの位置情報をWebサーバーへPOSTして,何らかのアクションがあるサービス と定義した上で以下のように三つにカテゴライズされています。
- スポット情報系
- 食べログ
- ホットペッパー FooMoo
- 楽天トラベル
- 位置ゲー系
- コロニーな生活☆PLUS(コロプラ)
- ケータイ国盗り合戦
- まちつく!
- チェックイン系
- はてなココ
- ロケタッチ
- mixiチェックイン
- foursquare
- Gowalla
TechWave鈴木まなみ氏に依るまとめ
TechWaveに於いても位置情報サービスのまとめ記事をものしている 鈴木まなみ氏ですがそれに先駆けて2011年7月28日のCheckBabyの記事 位置情報サービスまとめ が書かれておりTechWave記事の雛形となっています。 それが以下の九つのカテゴリーです。
- ライフログ系
- Foursquare
- Gowalla
- SCVNGR
- ロケタッチ
- はてなココ
- コミュニケーション系
- Facebook Place(日本語サービス名:スポット)
- mixiチェックイン
- Google latitude
- loopt
- ゲーム
- コロニーな生活☆プラス(コロプラ)
- ケータイ国盗り合戦
- Mytown
- フラッシュグラフ系
- yobongo
- DOMO
- Wondershake
- Q&A系
- localmind
- PinQA
- フード系
- foodspting
- spoon
- パシリ系
- Zaarly
- TaskRabbit
- プレゼント系
- giftee
- GiftRocket
- 未来にチェックイン系
- ditto
- plancast
- forecast
- 駅探★乗換案内(→Android/iPhone)
そして上の記事を5ヶ月ぶりにまとめたものが TechWaveの2011年12月19日の記事 2011年位置情報サービス総まとめ、チェックインの次の新潮流は?【鈴木まなみ】 になります。
上の記事同様に位置情報サービスを九つにカテゴライズされているのですが、 この考え方の根拠として 時間軸(未来、現在、過去)とシェア範囲(自分、友達、知らない人)の 2軸を基本としたことに言及されています。 記事中にあった2軸のグラフを本ブログ運営者なりに 色をつけて書き換えてみたのが右下の図です。 カテゴリーそれぞれがグラフ上の何処に位置するか可視化され、 興味深いアプローチだと思います。
- ライフログ系
- Foursquare
- Gowalla
- SCVNGR
- ロケタッチ
- コミュニケーション系
- Facebook Place(日本語サービス名:スポット)
- mixiチェックイン
- Google latitude
- loopt
- ゲーム系
- コロニーな生活☆プラス(コロプラ)
- ケータイ国盗り合戦
- Mytown
- ドリームオーナー
- Q&A系
- Localmind
- Drumo
- PinQA
- プレゼント系
- giftee
- GiftRocket
- Clingle
- giftly
- Proximity系
- お役立ち系
- Zaarly(パシリ系)
- TaskRabbit(パシリ系)
- WishScope
- NeighborGoods
- 出会い系
- Yobongo
- Wondershake
- ヒトメボ
- Sonar
- Skout
- お役立ち系
- ジオフェンシング系
- ---
- Neer
- Arrived
- HexRinger
- Card Case
- 屋内測位
- aisle411
- shopkick
- 技術
- チェックイン・プラスボックス
- Footpath
- Nearbuy
- ---
- セレンディピティ系
- ---
- Roamz
- 写真で見つける系
- Trover
- compath.me
- foodspoting(フード系)
- SnapDish
- リコメンド系
- OnTheWay
- Plan your new trip
- Wenzani
- ---
- 時間軸系
- 未来にチェックイン系
- ditto(未来にチェックイン系)
- Plancast(未来にチェックイン系)
- forecast(未来にチェックイン系)
- リマインド
- Will go later
- GeoLoqi
- テンポラリシェア
- GeoLoqi
- 未来にチェックイン系
上を元にNAVERにまとめ記事として2011年12月7日公開されたと思われるのが 位置情報系サービス まとめ で、ジオフェンシング系、 セレンディピティ系、 時間軸系、 が失われておりその代わりに時間軸系の系統を曳く 未来にチェックイン系 が入って
- ライフログ系
- コミュニケーション系
- ゲーム系
- Q&A系
- プレゼント系
- Proximity系
- 未来にチェックイン系
位置情報サービスを実際に使用されてのカテゴライズとのことですので重みがあります。 当該サービスに造詣の深い方にして猶かなりのことカテゴライズには試行錯誤が見られ この工程を追うだけでも相当の知見を得られるとは言え、 位置情報サービスというものは一朝一夕ではまとめるのは難しい作業であることが覗えます。
三者のまとめを概観しての考察
先ず上げられるのは常に ゲームがカテゴライズされる と言うことでしょう。 コロニーな生活☆プラス 略してコロプラと、 ケータイ国盗り合戦 は三者共に位置情報ゲームとして挙げる処となっています。
次に特徴的なのが Foursquare と Gowalla は三者共に取り上げ同じカテゴライズをしているのにも関わらずそれぞれ
- コミュニティ系(斉藤氏)
- チェックイン系(栗栖氏)
- ライフログ系(鈴木氏)
このmixiチェックインと同時期には Facebookスポットが2010年9月14日に開始 されています。 本ブログでも2011年7月20日記事 SNS大戦争 で触れたように黒船Facebookと迎え撃つ国産mixiに対し第三の刺客として登場したのが Google+(グーグルプラス) ですが、流石Googleマップを擁するGoogle社は位置情報共有サービス Googleラチチュード を 2009年2月4日に開始 しています。 これがGoogle+とシームレスに連携すれば 謂わば SNS系 と言って良いカテゴリーが考えられるかと思います。 位置情報サービスはSNSととても相性が好いのに違いありません。 Googleラチチュードを只一人取り上げている鈴木氏は Facebookスポットとmixiチェックインと同じコミュニティ系にカテゴライズしています。
必須位置情報サービスの暫定カテゴライズ
以上を踏まえて本ブログ運営者的に これだけは知っておくべきであろうと思われる位置情報サービスのみを取り上げ、 いずれのバージョンアップを考慮した上で取敢えずカテゴライズしてみますと 現時点では以下の様の考えています。
- ゲーム系
- Foursquare系
- SNS系
- ポータル系
勿論この他にも斉藤氏、栗栖氏が同時に挙げる まちつく! も、また斉藤氏と鈴木氏が同時に挙げる loopt など、その他にも多くの考慮すべき位置情報サービスはおいてあります。 新サービスの登場も頻繁な中、斉藤氏が時期的に捕らえ切れず、 鈴木氏が試行錯誤されているように 位置情報サービスのカテゴライズはなかなかに難しい話ですが 一旦このような視点で見ることで全体を概観出来、 位置情報サービスというものを大まかにでも把握出来ることに意義があるでしょう。
位置情報サービス参考図書
このようになかなか全容の掴み辛い位置情報サービスではありますが、 参考に供すべき書籍も漸次出版されているようです。
先ずは本記事にもまとめを参考にさせていただいた 鈴木まなみ氏が執筆陣に加わっている大著 位置情報連動型ビジネス調査報告書2012 が挙げられるでしょう。 正直その目次だけでも一瞥するに内容の充実されているのが分かるとともに 位置情報サービスというものの片鱗を垣間見られた心持になります。
この大著は2012年版ということで見ると 2011年版も確り出版されていました。 それが 位置情報連動型ビジネス調査報告書2011 (CD+冊子) になります。 2012年版に繋がるべき書籍として閲覧に値する一冊なのだと思います。
上二冊は大著につきお値段もそれなりなものとなっていますが、 もっとお手頃な価格、新書で入手可能な書籍も上梓されています。 佐野正弘氏の著作で毎日コミュニケーションズから出版されている 位置情報ビジネス ~「位置ゲー」が火をつけた新しいマーケット~ (マイコミ新書) がそれです。 発売日は2011年5月24日と2012年2月現時点で一年を経ておらず 時期的にも有効な一冊となるのではないでしょうか。
本ブログ運営者は未だ入手しておりませんが、 後者は値段もお手頃なこととて是非手に取って頁を繰ってみたいと感じて居り 拝読の機会を得た際は本ブログの記事に報告したいと思っています。
位置情報サービスについての情報はいざ見んとしてみれば 今や膨大、錯綜を極める様相を呈しており、 そのため今回は此処等にて筆を擱きはしますが、 孰れ知見の向上した折にはカテゴライズなど 更なるバージョンアップを図る予定でいます。
Foursquare(フォースクエア)の劇的変化(前編:OSMの採用)
GPSが当たり前の如く搭載されたスマートフォンが普及し位置情報サービスは様々な形態のものが登場していますが本ブログの2012年2月15日の記事位置情報サービスまとめのまとめ2012年版に暫定的に定義しました四つのカテゴリーの内の一つについてその名前として採択するほど代
Foursquare(フォースクエア)の劇的変化(後編:レコメンド)
位置情報サービスに於いては確固たる地歩を築いたFoursquare社が自社サービスの肝ともなる地図データをPC版のみに於いては創業以来利用していたGoogleマップからOpenStreetMapに移行したことを述べたのが劇的変化の一つとして紹介した本記事の前編Foursquare(フォースクエア