エルピーダ倒産とルネサスエレクトロニクス

帝国データバンクサイト大型倒産速報ページの 倒産の定義 を見れば 会社更生法 適用を受けた エルピーダメモリ株式会社 は遂に倒産ということになってしまいました。

エルピーダ倒産ニュース

昨日2012年2月27日から本日に掛けて当該関係ニュースを取り上げる ネット上のオンラインニュースサイトは枚挙に暇がありません。

本ブログにもその懸念を…

スポンサーリンク

などで伝えたところですが 遂に現実のものとなり残念であるとともに 更には日本のハイテクものづくりの先行きにも不安を覚えざるを得ません。

エルピーダと同じ祖を持つルネサスエレクトロ ニクス

エルピーダはその発祥をNEC及び日立に持つ企業で 両社のDRAM事業部が統合された由縁で DRAMを主力製品としました。 この主力製品が経営悪化の一因とも言われているのは本ブログ1月8日の記事にも記した処です。

此処にもう一つ日本電気株式会社に祖を持つ企業があります。 ルネサスエレクトロ ニクス株式会社 はNECで半導体事業を手掛けていたNECエレクトロニクスと 三菱電機、日立製作所のシステムLSIなどの事業が分社・統合された ルネサス テクノロジとが経営統合によって2010年4月に設立された企業です。 エルピーダ分社化の3年後の2002年、未だ 不採算事業のリストラの足らぬNECが巨額な半導体設備に対し NECエレクトロニクスを分社化して単独での資金調達を行うこととして誕生しています。

従って朝日新聞の2012年2月28日の記事 ルネサスエレが「つれ安」、エルピーダメモリ横目に下値買いも に見られるようなエルピーダメモリ会社更生法の報を受けた際には株価が続落基調、 エルピーダ株価に連動安となる動きも発生するのでしょう。

数週間前の株価上昇

エルピーダ倒産の報以降は株価が低調となったルネサスですが、 数日前、2月8日のブルームバーグの報 ルネサス株が急騰、富士通やパナと事業統合協議の報道で-東京市場 には富士通やパナソニックとシステムLSI(大規模集積回路)事業の設計部門を切り出し 設立する新会社に官民ファンドの産業革新機構から数百億円の出資を受ける計画を報じられたことで、 状況の厳しさはあるとしながらも株価上昇したことが伝えられています。 しかしこの時はエルピーダも株価を上昇させているのが、 少々株価の指標としての妥当性に疑義を抱かせしめます。

暗雲立ち込めるハイテクものづくり

ソニー、パナソニック、シャープ、NECなど多くの日本を支えてきたハイテクメーカーが 赤字の憂き目に遇っている2012年現在、 ハイテクものづくりを基盤とする企業は 多くは従来の方針では立ち行かないことも確かでしょう。

本邦ハイテクメーカーの取るべき道については言及する記事もあります。 ロイターの2012年2月20日の記事 訂正:復活賭ける日の丸半導体構想、成否の鍵はグローバル戦略 が述べる処です。 奇しくも日の丸半導体業界の統合・再編成に苦言を呈す記述も含まれます。

2011年には数千人規模のリストラを敢行し My News Japanの2011年9月20日の記事には ルネサスエレクトロニクス リストラ退職者が語る「ターゲットにされたバブル世代」 と、等のリストラ対象者へのインタビューもネット上の情報として入手可能で、その余波が覗えます。 其処までしても今回の再編は免れ得ぬ処となっているのです。

システムLSI取引先個々に見る状況

ロイター2月20日の記事には3.11 大震災 によりルネサスが東北で自動車産業の巨大なサプライチェーン(部品調達網)の 要を担っていることが浮き彫りになったとされます。 ハイテク産業ほど状況は悪化していない自動車産業ですが 自らの生き残りに懸命なことも確かでその値下げ圧力が大きいことは想像だに難くありません。

ルネサスの2012年2月27日ですから丁度昨日、エルピーダ倒産当日のニュースリリースに ルネサス モバイルがNVIDIAと共同で次世代LTEスマートフォン向けソリューションを開発・提供 があり、子会社、ルネサスモバイル社によるモバイル関連 それもこれから普及が進む筈のLTEについての情報が配信されました。 本ブログ1月8日の記事には東芝の注力する製品NAND型フラッシュメモリに於いては スマートフォン、タブレット端末の普及に伴い、手堅い収益維持に貢献するとしたのは 製品が世の需要に応えている現れでありエルピーダは遂に適いませんでしたが、 ルネサスは的確な展開を試みているようです。

但し、此処では日本で巨人と称されるNTTドコモはしかし 完全にグローバル戦略に失敗していることは データを示す必要もない程に周知された事実を鑑みる必要があるでしょう。 モバイルに適応してもそれがロイター2月20日の記事に言われる如く グローバル展開出来なければ効果も半減してしまいます。 iPhoneとドコモ総ての機種にシステムLSIを供給することを考えてもその差は明々白々でしょう。

ルネサスの供給先ではありませんがアナロジーとして本ブログ1月8日の記事には 経営的有利に働く半導体メモリとして富士通セミコンダクターの独自メモリFCRAMについても言及しましたが この供給先である任天堂については本ブログ2011年11月17日の記事 携帯ゲーム市場に見る時価総額世界一のアップル社と苦しむ任天堂 にも言及しましたし日経新聞には2012年2月20日の記事として 岩田社長が口にした、任天堂の「没落」 が配信おり、決して需給双方とも楽観出来る状況ではありません。 任天堂を苦しめるソーシャルゲームは一社の半導体には依存したりしないのです。

今後の方針が問われるハイテクものづくり

上に挙げた本ブログ2月2日にはアップル社に範を取るべきは取るべき旨記しました。 恐らくハードウェア偏重の方針は厳に慎まれねばいけないのでしょう。

自動車に於いては最早走るソフトウェアの感もあり、 NTTドコモに於いてもグローバル展開を図るに於いて、 いずれも受け入れ側の姿勢もあるにせよ システムLSIの供給元としては協働していくことが必須でしょう。

それが恐らく単純な下請け工場とならない、 そして生き残りを掛けた少ない道の一つなのだと考えます。 供給先も含めて自らもまたロイター2月20日の記事が指摘する如く グローバル展開を図ることが必須と言えることは間違いありません。

スポンサーリンク

「エルピーダ倒産とルネサスエレクトロニクス」への4件のフィードバック

  1. 山水電気倒産~時代への適合適わず民事再生法申請

    残念ながら老舗オーディオメーカー山水電気株式会社は昨日2012年4月2日、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申し立てを行ない、同日に受理されたと発表しました。山水電気の設立同社は1944年12月に菊池幸作氏により開設された山水電気製作所が1947年6月に山水電気株式会社に

  2. 開業ジャパンディスプレイはグローバルリーディング企業足るか?

    株式会社産業革新機構(INCJ)7割出資の筆頭株主となるべく2,000億円を出資したジャパンディスプレイが愈々計画通り船出しました。ジャパンディスプレイ発進!本ブログでも未だジャパンディスプレイの社名決定の前に記事にして、当該企業が国内家電東芝日立製作所ソニー3社の

  3. 米マイクロンがエルピーダ買収、業界第2位へ

    紆余曲折が有りましたが本ブログでも度々お伝えしたきたエルピーダメモリ株式会社の買収が決まったようです。本ブログ関連記事本ブログに今年2012年、エルピーダの経営不振から倒産迄を扱ったのは以下記事に於いてでした。DRAM世界シェア3位のエルピーダ経営危機~メモリーの

  4.  半導体製造は、エルピーダーとかルネサスだとか他パナもソニーも富士通も製造装置は装置メーカ製であり、今の
    パナ等の管理職クラスはただ装置を買った世代であって、この世代は全く装置を知らないので必要ないのである。
    TSMCに聞けばはっきりするよ。買収するならどうゆう条件かと。…..日本メーカは即刻リストラが必要、バブル以前世代と以後世代で働き方のスタイルが異なる、バブル以前の世代は上がいて部下がいてって感じだけど、今の世の中
    全て横並びで各々仕事すればいい時代であって、いかに装置を知っているかである。知らない管理職はただの足でまとい以下でマイナス要因になっているのが国内半導体業界である。

コメントは受け付けていません。