PC内臓 Gibson Firebird X はギター弾きに認められるか!?

Gibson(ギブソン) 社と言えば大抵は思い出されるギターは Les Paul(レスポール) でしょう。 勿論他モデルも世に出しているギブソンですが、 如何せんレスポールの印象が強すぎるようです。 エレキギターの二強としてギブソンと覇を競う元祖エレキギターの Fender(フェンダー) 社から、伝統的ギターしか拵えられないと揶揄され憤慨したギブソン社が 革新的なスタイルを伴い(半ば自棄気味に?)世に出したのは その認められ難いエレキギター数種でした。 その流れを汲む中に Firebird(ファイアーバード) モデルは位置するでしょう。 そして今日、そのファイヤーバードの新機種として 革新の意味する内容としては実に パソコン内臓のエレキギター と CES2011 に於いて鳴り物入りで世に出されたのが Gibson Firebird X です。

外観を概観すれば…

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先ず気付くのがボディは其の儘にしても 古き良きアメ車デザインの如き Firebird らしいヘッドストックデザインが全く失われています。 これはオートチューニングでペグを自動操作する必要があった為かも知れませんが、 あの流線型の派手派手で片側ペグを見られないと少々 Firebird と謳うのは難がある気もします。 そしてボディを気をつけてみればスイッチ類がどうやら パソコン内臓を謳うような趣きが有る気もします。 カスタマイズと言えば大いに受けそうなスイッチ類ですが、 Gibson社正規モデルとなれば、さて大向こう受けはどうでしょうか?

このモデルの報を齎し、またコンピュータ内臓と称したのは TechCrunchの2011年9月30日の記事 伝統のGibsonがPC内蔵でアプリが動くソリッドエレキFirebird Xを発売 です。 どうやらアプリケーションソフトウェアのインストールの可能な システムを内蔵していることからそう呼んだようです。 記事が失敗と呼ぶローランド系のシステムを所有する身としては その失敗を糧として作成されたと言われると微妙な心持にもなりますが(笑)。

フェンダー社がブロードキャスターを世に問うた頃から 既にエレクトリックサーキットはギターに内蔵され、 その正常進化版と見ることも出来るように思います。 内臓エフェクターもオートチューニングシステムも目新しいものではなく、 既に多くのトライがあったように思います。 その中で真にこのモデルが画期的となるには 矢張り驚くべきアプリケーションがインストールされる時こそであって、 となればソフトウェアに依って変貌を遂げられることこそこのギターの肝となるのでしょう。

今のところ標準インストールされているアプリという見方では Introduction to the Firebird X(New Video Displays Capabilities) を参照すれば

  1. Togpots:
    オンボードエフェクター兼ギターシンセと言った感じでしょうか。 二番目の定番エフェクター及びギター全体のシステムの制御系でもあるのだと思います。
  2. Best In Class Onboard Effects—Goldtone FX™:
    定番エフェクターと言えると思います。
  3. Robo-Tuners:
    オートチューニングシステムですね。 一時期ジミー・ペイジ氏が使っていた DTS-1 システムの進化版でしょうか。 フィルムではオープンチューニングも即座にチューニングされています。
となるでしょうか。 CES 2011で同モデルを見聞したと思われる TechCrunch 記事には Bluetooth でフットペダルと通信する機能も有しているとのことです。

上の動画は GibsonGuitarCorpチャンネルの Firebird X Introduction ですが、この評価が2011年10月3日現在、 117人の高評価に対し、195人の低評価があり、 TecCrunch 記事中にも ギター純粋派は気難しい だの 一部の熱心なギターファンは、この製品を馬鹿にしてFireturd〔仮訳: ファイヤウンコ〕と呼んでいる との扱いが伝えられるのは、 最も原始的でありながら最も感性を音として表出し易い稀有な楽器、 ギターというものの特性を端無くも語っているようにも思えます。

ギターに於いて発音が単なるスイッチであることは絶対に有り得ません。 そうなれば既にそれはギターではなく別の楽器でしょう。 シンセの導入はどうしてもいくらかのこの種の問題を孕まざるを得ないと思います。 記事にあるように 毎日サンバーストのギターを拵えていれば それは最早ギブソン社ではなく、 このような問題に取り組み新機種を世に問うからこそ ギブソン社で在り得る、のだとも思います。

1件のコメント

  1. Roland V-GUITAR SYSTEM VG-8EX と Gibson Firebird X

    右の図は本ブログ運営者の所有するギターですが、注目して欲しいのはギター本体でもトレモロアームでもボディに描かれたジミ・ヘンドリクスでもありません。シンクロナイズドトレモロブリッジとリアハンバッカーマイクの間に位置するピックアップとそれからコードの伸びた先

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