リクナビサーバーダウン、リクルート社の情報化社会での位置付け

情報化社会の到来が言われて久しいですが、 情報化社会に依拠すると見られながら実は工業化社会に大きく依存する組織は多いようです。 本ブログでも 新s(あらたにす)終了~大手新聞のWeb対応失敗、限界露呈か (2011年11月11日記事)では新聞社に TwitterとイマつぶとSNSと月9ドラマ私が恋愛できない理由 (2011年11月18日記事)ではテレビ局に、 ラストワンマイルとは?NTT東日本とぐるなびの協業開始 (2011年11月21日記事)では通信事業者たるNTTに、 共に情報を取り扱う業態でありながら、疑義を発しましたが 20世紀後半に情報化社会の寵児の如き扱われ方をした リクルート にも若しかしたら当て嵌まるのかも知れません。

そんな穿った見方を喚起させてくれたのが 本日2011年12月2日の読売オンラインの配信記事…

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就職サイト「リクナビ」アクセス殺到、一時停止 です。 この事象を説明すべく リクナビ2013 からも本日付でニュースリリースご利用の皆様へ が配信されています。

アクセス集中時の分散化処理の失敗、を主たる理由に述べていますが、 孰れにせよアクセスが通常より増えたことによるサーバーダウンに違い有りません。 ではどれ程のアクセスの輻輳が見込まれるのか? データを見て見ましょう。 以下に 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 の提供するデータとして 労働統計データ検索システム があります。 ここから 進路別卒業者の推移(大学[学部]) を参照すれば大卒の就職者は平成22年に329,132人、 新規学卒者の職業紹介状況 を参照すれば、平成21年に高卒が175,684人、中卒が1,883人、 数年間の新卒求職者数がそれほど変らないと見れば約 50万人 程が閲覧可能性のある概数となります。

この50万アクセスと言う数字を情報化社会の中で見れば、 ヤフーやGoogleは何のことなく捌く数字であることは勿論ですが、 TwitterやFacebookは言うに及ばず、 下手をすればアルファブロガーが稼ぎかねない数字であることは論を俟ちません。( 本ブログ的ヒット記事とアルファブロガーのアクセス数 2011年8月21日記事参照) これから鑑みても日本の主たるブログサービスはなんなく捌くアクセス数だと言えましょう。( 日本ではSNSより人気のブログでアクセスを稼ぐ三大コンテンツ 2011年09月29日参照)

2011年10月4日にはニコニコニュースに リクルート社が生んだ「グーグルキラー」新検索サービスに勝機はあるのか が配信され、さも情報化社会に軸足を置く企業であるかの如く見えもしますが、 この新サービスの是非は兎も角、このような派手な施策に 情報化社会に於ける切磋琢磨がある筈もありません。 これを支える地味で目立たないインフラの用意にこそ、 その組織の情報化社会に於ける重心位置を見ることが出来るのだと思います。

本ブログ2011年9月12日の記事 転職サイトはたらいく(リクルート)にもソーシャルボタン にも書いたように何とか情報化社会に向けた脱皮を図ろうと施策を展開するリクルート社ですが また2011年7月6日記事 インターネットサービスからターゲットとされる飲食店 にも見られるように工業化社会の現出たる勇み足も踏んでしまっているようです。 一度工業化社会に組織が確立されてしまうと、 その図体が大きければ大きいほど舵を情報化社会に切ることは難しくなるのかも知れません。