新s(あらたにす)終了~大手新聞のWeb対応失敗、限界露呈か

死者に鞭打つような格好になることは本意ではないのですが、 何分人気ブロガーより低いPV数では知る由もなく過ごして来た為で 知ったときにはその終了のお知らせであり、 それがWebサイトの存在感に比して終了自体にニュースバリューがあれば この取り扱いを如何かご寛恕あられたく、 それ程取るに足らないWebサイトの閉幕が話題となるのは 一重にその運営母体にあるのです。 終了するWebサイトは 新's あらたにす
朝日・日経・読売よみくらべサイト
であり、運営母体は 日経・朝日・読売インターネット事業組合 です。

運営母体の名称から容易に推測出来るようにこの事業組合は

  1. 株式会社日本経済新聞社
  2. 株式会社朝日新聞社
  3. 株式会社読売新聞グループ本社
の共同事業で4大マスメディアとしてのひとつ新聞業界が 押し寄せるWebの荒波に抗うように設立され、そして今回終了する あらたにすは開設されたものでした。

矢張り4マスのWeb戦略が守備上々とは行かない状況は Webサイトの影響力は低くともニュースバリューは高くなります。 このニュースは多くのオンラインニュースサイトの伝えるところですが 新聞社系のサイトはインターネットという蓄積型メディアの特性を考えず 直ぐにニュースを見えないように削除してしまう旧型の遣り方を踏襲しますので なかなかリンクも設け難いところです。 しかしネット系ニュースサイトのGigazineを見ればしっかりとその最初と最後を伝えると共に残してくれています。

これに代表される如く多くのニュース配信では あたらにすの終了がメインの内容となっているのですが、 その情報ソースとなるプレスリリース(PDFファイル) 「ANY 連絡協議会」を新設、3社の協力体制を強化 サイト「あらたにす」は終了、Facebook 活用で学生の「言論空間」拡大へ を見て見ましょう。 冒頭部を以下に引用します。

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株式会社日本経済新聞社(代表取締役社長・喜多恒雄)、株式会社朝日新聞社(代表取締役社長・秋山耿太郎)、株式会社読売新聞グループ本社(代表取締役社長・白石興二郎)は、東日本大震災後の災害時相互支援体制や、販売協力をはじめとする3社協力体制の一段の強化や、より機動的な協業体制の可能性を探るため、2012年春を目処に「ANY 連絡協議会」を新設することになりました。これに伴い、「日経・朝日・読売インターネット事業組合」(理事長・粕谷卓志)は、その役割を連絡協に引き継ぎ、同時期をもって解散します。連絡協の新設に併せて、読み比べサイト「あらたにす」は終了し、Facebook「あらたにす 学生は言いたい!」の装いを一新します。

一見、実に発展的な内容が書かれているように見えますが、 これが各ニュース配信関係者から見ると上の様な状況が鑑みられ あらたにすの終了のみが強く浮き上がることになるのは致し方がないところでしょう。

本ブログでもITが主とは言えニュースを利用して簡単な解説を付けたり、 同時期若しくは時系列的比較をするなどして記事を作成し配信しています。 従って孰れかで配信されたニュースを仕入れる必要がある訳ですが、 その仕入れルートにこのWebサイトが上がったことは一度もありません。 従って今始めて見る様なサイトになるのですが、その印象は 一昔前に資金力が有った企業がホームページを企画する時、 熱に浮かされた様にポータル、ポータル、と口走っていたことを 思い出させる作りとなっています。 ポータル とは早い話が此処にリンクを貼る迄もないYahoo!やGoogleのことで、 人々がインターネットを閲覧する時先ず最初に開くページを称して ポータル(玄関)サイト と呼ばれていました。 本ブログ運営者に目に(YahooやGoogleのようにポータルに相応しいサイトではないと言う意味で) 単なるポータルサイトに映るのは Webサイトの構成はと言えば各社の記事が併載されるのみで、 リード記事のリンク先も各新聞社に繋がると言う具合になっています。 本ブログ運営者が新聞各社協力の下に運営されるサイトと聞いて思い浮かべられる ヘーゲルの弁証法の如き、 各社の記事が互いにテーゼとアンチテーゼとなり、 止揚された命題記事が提示される様な構成は其処には見当たりません。 まるで洪水に押し流されて詮方無き塩梅となった呉越同舟です。

工業化社会の時代から情報化社会の時代への端境期、 情報化時代の寵児たる上に挙げた両ポータルがまだまだ低く見られていた一昔前、 それでもその影響力の無視出来なくなって来た頃の 大手企業のWeb担当者に多く見られたのが謂わば ポータル症候群 とでも言うべきものでした。 Web時代の襲来の外圧を受けた組織がその対応を迫られ、 訳も分からず任命された担当者が困り果てた挙句、 金の臭いを嗅ぎ付けた鹿爪顔の自称アイデアマンに相談を持ち掛ければ 判で捺したようにポータル提案が持ち掛けられていたように思います。 あらたにすの開始された時期を2008年々頭と見て目を疑ったのですが、 それはこの担当者の属性も恐らく類似している、 即ちポータル症候群に罹っているのではないかと思われたからで、 であれば時代錯誤も甚だしくあるでしょう。

一昔前、資金力のある企業は工業化社会の大手企業、 即ち製造業に代表されるような企業が主でした。 その罹病と同様の症状を示しているとすれば 今正に従来マスメディアの一角は工業化社会の産物であることがはっきりすることになります。 工業化社会の産物と言っても勿論製造業は悉皆工業化社会の産物であることに変わりなく それは今も重要な産業として位置づけられるべきものです。 しかし情報化社会の産業の様なイメージを孕みながら 中身は全く工業化社会の構造で構築されている産業は問題があるでしょう。 しかも工業化社会の中心産業たる製造業中にも情報化社会に見事に対応して来ている 企業も出て来ている中、全くそこから抜け切ることは出来ない大手新聞社には、 まだまだ縮小均衡的リストラクチャリングが展開されることは疑う余地がないでしょう。 それが些事ながらも野球界などにも 球団代表涙ながらにナベツネを大批判 読売巨人軍で前代未聞の内紛勃発 のように影響を及ぼしているのかも知れません。

最後にもう一つ蛇足ながら付け加えれば 多くのオンラインニュースサイトの伝える中にも ネットニュースとしてPV数などについて少々辛辣な内容を伴い伝えてくれているのが JCASTニュースであり2011年11月10日付けの記事 日経・朝日・読売の読み比べサイト「あらたにす」、2012年春メドに終了 PV伸び悩む になります。 これを閲して思われるのは新聞社という高給与体制も 今回の終焉には影響を与えているかも知れないということです。 数百万PV/月であれば恐らくIT業界でなら担当一人を付けて充分遣っていける数字だと思います。 もしこれを数人の体制でしかも年収1,000万円に近いような人物が担当していたとしたら ペイする筈もない理屈となるからです。

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