Roland V-GUITAR SYSTEM VG-8EX と Gibson Firebird X

Roland V-GUITAR SYSTEM VG-8EX pickup 右の図は本ブログ運営者の所有するギターですが、 注目して欲しいのはギター本体でもトレモロアームでもボディに描かれたジミ・ヘンドリクスでもありません。 フロイドローズ型トレモロブリッジとリアハンバッカーマイクの隙間に位置する ピックアップとそれからコードの伸びた先のガジェットです。 これ実はRoland社の V-GUITAR SYSTEM VG-8EX のピックアップ部分なんです。 VG-8EXとは所謂ギターシンセですね。 ギターの弦振動を上の写真のピックアップで拾い、 電気信号に変換されたギター音を様々にエフェクトを掛けて出力させると言う塩梅です。 そのエフェクトを掛ける本体が下の図、ギター専用コンピュータみたいなものです。 見た目に目立つフットペダルで様々に設定した音色をプレイしながら 即座にスイッチすると言う寸法になっています。

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Roland V-GUITAR SYSTEM VG-8EX

本来エレキなんか弾く奴はエレクトリックサーキットなんて大好物の筈で、 それは太鼓に描かれたジミヘンだって同じでした。 FUZZやWOWだって彼が居なかったら…ね、 こんなデジタルガジェットが見たら彼みたいな感性溢れる連中は抛っておかないでしょう。 処が最近のギターキッズ界隈で話題の Gibson(ギブソン) のこの手の新モデルの評判が今一つであるらしいのです。 その件は2011年10月3日に本ブログの記事 PC内臓 Gibson Firebird X はギター弾きに認められるか!? にもしました。

さて、10月3日の記事にも登場するTechCrunchの John Biggs さんは随分とこのGibsonの新モデル Firebird X にご執心のようで、Gibsonの社員Mark McCabeさんに2011年10月14日に インタビューがつらデモプレイを見せてくれよ、ってことで出掛けてきたそうです。 それを翌15日には早速 Gibsonの社員がロボットギターGibson Firebird Xをデモしてくれた なる記事に仕立ててくれたのですから嬉しくなります。

記事からはGibson Firebird Xを応援する Biggsさんの気持ちがよく伝わって来ます。 クールなことも分かりますがちょいと首肯できない部分もあります。 ギターってのは単なる共鳴板の上に糸を張っただけの プリミティブな楽器だからこそ魅力があるってもんです。 何やらが本物のギター名人より人気があるなどともされていますが、 今の時代は正直ギターヒーロー不在だと思います。 ギターヒーローになる奴なんかは何処か突っ外れてるもんで、 エディー・ヴァン・ヘイレンなんかあの自分勝手に滅茶苦茶にカスタマイズされたギターは 常識人の拵え得るもんじゃありません。 クラプトンのウーマントーンだって奇妙なセッティングですし、 大体がしてブラッキーやブラウニーなんてフランケンシュタインのストラト版じゃないですか。 またジェフ・ベックのトーキングモジュレーターを始め、 奇妙なエフェクター群を次から次へと受け入れてきたのがギターヒーロー達でした。 今はそんな滅茶苦茶なことをして時代をリードするヒーローが不在なんだと思います。 従ってGibson Firebird Xは少々生まれる時代が悪かったのだと思います。 頭の螺子が二、三本吹っ飛んだギターヒーローが今に全盛期を生きていれば 抛っておかないギミックギターなんじゃないかと思います。

てな訳でGibson Firebird X用のプロモーションを妄想してみました。 先ずロボットギターってニックネームはいけてないでしょう。 名前もFirebirdである必要はなかったと思うなぁ、 大体が天神の形が全然違うじゃないですか。 伝統的なGibsonのヘッドストックの変形版になってはいるんですね (因みにあの天神形をマホガニーで削りだすのは結構テクが要って面倒臭い)。 矢張りギターのプロモーションとなればギターヒーローとセットにするのが順当でしょう。 例えばレッドツェッペリンがIVをリリースしてライブを回るとき、 これがあればジミーペイジ氏が例の曲でダブルネックを手にすることはなかったかも、 (後にオートチューナーDTS-1 システムを取り入れているほどの人ですから) 是非Gibson Firebird Xを抱いて全世界を回って貰いましょう。 そして例の曲をこのギターで演奏すれば恐らく聴衆は ダブルネックと同じ衝撃を受けた筈、 ギター名は曲名から取って Stairway to Heaven (日本では 天国への階段 )とやれば大売れに売れたのでは… 以上時代錯誤を交えての妄想でした。

以下にはTechCrunchが提供してくれている Gibson Firebird X :Demo と題されたインタビュービデオを貼り付けて置きます、 途中でピエゾタイプのエフェクトでってんで ブルースっぽいフレーズが弾かれるのが楽しいですねぇ… ん?…

最後のデモで弾かれる曲は… なんだ分かってんじゃん(笑) 、で最終的に本ブログ運営者はこのギターをどう評価するかと言えば 欲しい! の一言になるのでした、 で値段についてもBiggsさんと同意見となるのです。