HP(ヒューレット・パッカード)と云えば
シリコンバレーベンチャーの先駆けであり、
ビジョナリーカンパニーの一つとして常に取り上げられます。
先頃アップル社が HP社跡地に新社屋を計画しているニュースは
本ブログ2011年8月15日の記事
クパチーノ市に宇宙船型新社屋―アップル社
で取り上げ、最高経営責任者スティーブ・ジョブズ氏の
クパチーノ市への思い入れも HP社によるところが大きいと漏れ伝え聞きます。
その HP社が
bloomberg.co.jp
の2011年8月19日のニュース
米HP:オートノミー買収で合意、103億ドル-PC事業分離計画(3)
に拠れば、英ソフトウエアメーカー、オートノミーを103億ドルで買収し尚、
PC事業の分離・独立化を検討しているとのことです。
この報に感じられるのは、
マイクロソフトとの争いに後手を取ったIBM社、
スティーブジョブズ氏の復帰したアップル社、
などが推し進めた企業としてのハードウェア産業構造からソフトウェア産業構造への転換です。
パソコンハードの販売が低迷しているのは頃日よく耳にするところであり、
HP社も例外ではありません。
実はその背景にはアップル社の
iPad
の大躍進があるのは記事も伝えるところです。
また記事中には米調査会社ガートナーのアナリスト、マイケル・ガーテンバーグ氏が、
以下引用のように当件に言及しています。
「HPはソフトウエアとサービスの比重を高めることに集中しており、ハードウエア事業に依存していない」と指摘。
「同社のハードウエア事業は難しくなった。
多くの点で、商品が主導するビジネスだ。
これは同社にとって大きな戦略シフトだ」と説明した。
また同記事では
オートノミー買収によりHPは、電子メールや楽曲、
画像などさまざまな種類のデータを検索するソフトウエアを手にすることになる。
と簡単に結ばれていますが、
オートノミー社を調べてみればかなり面白い技術を有しています。
検索にはベイズ推定と云う近年急に取り上げられた
Google社もスパム判定に活用している最先端の技術を検索に利用しているようですし、
それはナレッジマネジメントアプリケーション開発にも活かされているようです。
またデータベースに於いても通常利用される情報が構造化されたRDBMSではなく
非構造化情報を扱う技術にも長けているようです。
企業の構造転換は勿論大変な難事に違いありません、
がHP社の如きビジョナリーカンパニーならば
同時に何か革新的な手法を取り入れ吾人を驚かせてくれる、
そんな気がしてなりません。