昨日迄はいつも通り使えていたのに今日突然使用不能となる、 IT機器に於いては珍しいことでは無く、 故障は通常こんな形で現れる様であるのは肌で感じてます。 それはちょうど
MacBook Pro 2016のTime Machine顛末
本ブログの2016年11月20日の記事[※1] 2016年11月26日の記事[※2] に記した通り2016年の年末に入手してから今年2022年年末には既に丸々6年を経るものの バッテリーの交換[※3] 以外には別段不具合も無いMacBook Pro 2016は、此のブログ記事を書く際にも使うなど今以て活躍中ですが、 本体より遅れて2018年初夏に導入したTime Machine[※4] が先に音を上げてしまいました。 外に持ち出すのが本分のMacBookながらもTime MachineはHDDでしたので自宅に据え置いての利用でしたから特に外傷も有りません。 最近のHDDは保ちも良く、ドライブ自体の異常の際には時に聞かれる異音の発生も有りませんでしたから、 ドライブの不調にあらぬ電源部分の不具合が怪しく思えます。 中を覗いてみれば基板上のコンデンサに焼き切れていたりするものの有るかも知れませんが、 ジャンク系ユーチューバーならぬ身には、知識も道具も時間も宛ても無く、開いて修理と言う算段にも運び難くあります。 孰れかの機会に外箱を開いて中身の無事の可能性もあるドライブを何某かへの転用など目論見ながら、一方Time Machine機に於いては此の機会を以ての買い替えを期したのでした。
控え目に言ってApple社の製品は不具合の塊です。製品発表時の新機能は鳴り物入りに其れなりに調整され出荷されますが、OSのバージョンアップが成される、即ち次世代の新製品が出荷されるに合わせて前世代の製品への適合はお座なりとなり、低ランクのエンジニアが割り当てられるのか如何か分かりませんが、明らかに其れと分かるソフトウェア的な不具合と付き合って行くのを覚悟しなければなりません。最近にも就中非道いのは「
「Live Photos」は直近の最も酷い事例ですがApple社独自の差分バックアップ機能であるTime Machineも御多分に漏れず、2018年6月12日の記事[※4] に「外部HDDをUSB-C接続するだけで僅か数分、其の数分、着替えなど他の用事を済ませている間で差分のバックアップを取れるTime Machineは負担にもならず気軽にバックアップを実行出来るMacならではのアドバンテージとして機能します。」と書いたのが恥ずかしくなるくらいの時間が掛かる様になってしまいました。据え置きで使用していれば問題は少ないだろうとは思われますが、モバイル機では扨、出掛けようとした際にTime Machine作動中であるのはなかなか出鼻を挫かれますし、帰宅時に繋げるTime Machineの時間が掛かるとなれば
Time Machine次世代機への要請と機会の到来
上記に仍って要請の第一は処理速度です。此れには未だ磁気HDDを使用していましたので、SSD化と言う絶対的な改善手法が残されています。Time Machine選定の条件には仍って先ずSSDドライブの採用が挙げられます。次は価格です。MacBook Pro 2016に専用Time Machineを誂えた4年前でも価格を度外視すればSSD化は可能でしたが、費用は青天井に見積もれませんのでHDDの採用に落ち着いたのは、MacBook Pro 2016年の2018年6月12日の記事は勿論[※4]、MacBook Air M1 2020の際の記事[※5]にさえ記した所です。最後に容量です。MacBook Pro 2016は1TBのストレージを擁しています。此れに適切なバックアップディスクとしてのストレージ容量が考慮されねばならず、Time Machineでは差分をバックアップするシステムにてプレーンにバックアップを取るシステムとは比較にならない程の狭小容量で済むとは言え、ネットなどに出回っている情報を見れば最低でも2倍は必要と、成る程頷ける情報が散見され、すると今回の必要容量は2TBとなります。以上、要請を約めれば「廉価2TB外付けSSDドライブ」と些か恥ずかしい部分を含みながらも分かり易い一文となります。
斯く有る予算の上限は、有り難くも何時の間にか溜まっていたアマゾンのギフトカードの残高が其れになります。残高は上の画像に有る様に18,570円にて、従って利用サイトも自ずから定まりました。以て候補の製品をアマゾンWebサイトの探して見れば幾つかの勘定に合う機種が見付かりました。後は時期を待つだけでしたが、其れは案外早くやってきました。
頃日には本邦にも舶来のイベントが商魂逞しく導入されるに至ったクリスマス商戦やバレンタインデー商戦などと類似のお祭りの一つが「ブラックフライデー」なるものだとか、主に北米で一般的な「感謝祭」の売れ残りが翌日の金曜日になれば小売店が在庫一掃とて大安売りされるに至り、此の行為が習慣付いたものとやら、元々本邦に於いても、盆暮れの商いに最近では節分の恵方巻きなどとかも商戦化されては馴染みの薄い習慣にあらずして、つい先日も浜松市は市野のイオンモール街に出掛け、一階フロアーを歩いていた際にも宣伝の垂れ幕を目にしたりもしたのでした。
勿論感謝祭御本家の米国ネットショップ最大手の、今回事情から買い物を目論むアマゾンとて漫然と腕を組んで見過ごす筈もなく、此の機会のセールを大々的に予告宣伝したりもしており此方も気付いたので、成る程そんな大売り出しがあるのなら利用しない手はないだろう、と手ぐすね引いて待ち構えていたのでした。アマゾンのブラックフライデーの期間は2022年は11月25日から翌12月1日迄と予告されていました。
アマゾン「ブラックフライデー」セール突入と機会喪失
アマゾンが「ブラックフライデー」セールを開始した初日、2022年11月25日に検索してみた結果が以下になり、購入候補として挙げたのが赤、青枠で括った商品になります。赤枠の方は「Crucial X6 外付けSSD 2TB」で定価が24,750円のところ、セール割引で17,800円と28%引きは予算内に収まる額となり、接続はUSB Type-Cで最大読み込み速度は800MB/秒と割引率も価格対パフォーマンスもなかなかです。青枠は「SUNEAST SSD 外付け2TB」にて、定価15,980円がセールで13,583円と割引率は15%ながら、ほぼ最低価格帯は元々が予算内に収まるもので目に付いた商品です。速度は「Crucial X6」には劣る560MB/秒で、接続もUSB Type-C変換アダプタと有るのはUSB Type-Aからのもので、共に価格帯を表している仕様だと感じられます。さてどちらにしようかと、折角此方の予算内迄降りて来てくれたのだから「Crucial X6」にしようかと迷うも其の日と続く数日は少し取り込んでいたこともあり、先ずは急ぎの用事を片付けてからゆっくり選ぼうなどと思い、Webサイトを後にしたのは後に思えば後の祭りと相成った次第。
思い立ったら吉日とばかり此の時買ってしまえば手に入った「Crucial X6」は、扨、セール開幕から数日過ぎた28日に改めてページを開いて驚く、セール終了であるらしく「Black Friday Sale」の赤札は消え去っており、こんなこともあるのかと感心頻りであるのは、如何やら当該機種はPS4、PS5の外付けドライブとして速度が高く価格も
SUNEAST SSD 外付け2TB購入
セール終了ならば定価で食指が動く程の気持ちも「Crucial X6」には有りませんので、必然的にもう一つの候補に自ずから選択肢は絞られれば、此方とても最安値ながらなかなか好評のレビューが集い、又もやセール終了の憂き目に合うのはもう御免と、慌てて「SUNEAST SSD 外付け2TB」をセレクトして注文をしたのでした。
以下の如く、購入価格はギフトカードの残高内に収まり支払いは発生しないのは何もかもが値上がりの昨今には、有り難いところです。
SUNEAST SSD 外付け2TB着到
大事なのはガジェットにあらずしてデータなりとはITに於ける箴言にて、例えiPhoneやMacが幾ら壊れたり遺失したりしても其れは其れでショックであるのは確かながら、本当に大事なのはデータであるのは言う迄も無く、データとして蓄えられた写真やテキストは他に替え難く他からは得難く、一旦失えば覆水は遂に盆には返りません。此れをApple社のエコシステムに依存するには問題を抱えつつ其れなりのメリットがあるので、複数機種間、其れは携帯電話からも卓上据え置き端末からも、又モバイルシェル端末からも、iCloudを通して同様に扱え、同期され、Macのアドバンテージたる差分バックアップシステムに仍って保管されれば、Time Machineを複数台用意すれば其れ丈情報セキュリティ分野に言う所のCIAの一つ「Integrity」、即ち「完全性」の保たれる可能性が高まるのでした。
手持ちの3台のMacの内のMacBook Air 2013に於いて容量の不足からOSのアップデートも儘成らず、研究上重要なデータとなる「写真」アプリを削除してしまっていました[※6]からTime Machineは用意しているとは言え、中に写真データは保管されていません。すると残り2台がiCloudを通じ互いにTime Machineを利用しつつ写真データ全体を補完する構成になっていたのでしたが、其の両翼の一つが捥げ落ちた状態では、我ながら些か心配性が過ぎるとも思いますが、日々不安の擡げ、MacBook Pro 2016を開く度にバックアップ未作成の日付が増えて行くのが其の不安に追い討ちを掛けます。
決して気持ちの良いものでは無い日々を重ねつつAmazonの配送状況を追い掛けるに、月も師走に変わった2日に本日到着予定との表示を見て配達業社のベルを鳴らすを待ち兼ねていると、いつの間にやらAmazonの配送状況は配達済みとなっています。若しや置き配か、と思い玄関口へ出ても其れらしき荷物は見当たらず、扨はと郵便受けを覗いてみると其処には少し厚めの封書が届いているので、表に貼られた印刷を確かめれば確かに注文品で有りました。届く小荷物は郵便受けの細い間口を通るにあらずとすっかり思い込んでいたので、即ち、実際に届いて見て驚いたのは其の大きさでした。先ずはパッケージの内容を以下に表示しますが、単体では大きさが分かり難くはあります。
其処で分かり易さの為に、例に仍って歴代のTime Machine用ストレージを以下の画像に比較して見れば、一目瞭然でしょう。
二代目MacBook Pro 2016 Time Machine襲名
その日こそ忙しさに紛れ、又、前Time Machineの設定初期の煩わしさも思い出されては、届いたTime Machineは繋がず終いでしたが、流石に待ち兼ねていたもので、次の日の夜には早速目論見通りMacBook Pro 2016に繋いでみました。因みに何の因果か此の日の午前中は前Time Machineが応答無しとなったと時を同じくして廃車となった代替に注文した自動車の納車の日でもありました。繋いでみれば何の問題もなく「SUNEAST SSD 外付け2TB」はMacBook Pro 2016にマウントされ、取り敢えずは眠い眼を擦りながらも一安心です。
マウントが確認されたら次にフォーマットです。上のディスクユーティリティーの表示を見ればマウントされた外部物理ボリュームの「SUNEAST2TB」は「exFAT」と認識されていますので単に外部ストレージとして用いるのは問題も無く、加えてWindowsからのアクセスも可能となりますが、Macの於けるTime Machine機のフォーマットとしては不適当ですので、同「ディスクユーティリティー」画面メニューから「パーディーション作成」を選択し、以前の記事[※4・5] なども参考に「Mac OS拡張(ジャーナリング)」でフォーマットします。此の際、「SUNEAST2TB」の容量は2TBで1TBストレージのMacBook Pro 2016のTime Machineとしては最低限の容量ですので全てを一つのパーテーションとして利用するのは言う迄も有りません。
所で実は此処で「Mac OS拡張(ジャーナリング)」でフォーマットする必要はなかったものと思われます、と言うのもTime Machine機として利用した後から確認した「SUNEAST2TB」のフォーマットは「APFSボリューム・APFS(大文字/小文字を区別、暗号化)」と表示されているからですが、「Mac OS拡張(ジャーナリング)」でフォーマットしても別段問題は有りませんでした。恐らくは「exFAT」のままでもTime Machineストレージとして利用する際に自ずと適切な形式にフォーマットし直すべく仕組まれているものと思われますが、一期一会にて確認はしていません、悪しからず。
Time Machineとしての利用開始
ストレージ側の用意が出来た所で2022年12月3日は約3週間振りにMacBook Pro 2016のTime Machine環境設定を開けば、此方の事情を寸分も斟酌してくれずに○に「i」アイコンが赤く、期間が開き過ぎている警告として表示されています。既に亡き「MacBookPro2016TimeMachine」ですから「ディスクを選択…」釦を押下するしか選択肢は有りません。斯くて「利用可能なディスク」項目には無事「SUNEAST2TB」が表示されていますので此れを選択します。
念を押して「MacBookPro2016TimeMachine」の使用を尋ねてくるmacOSですが、此れも選択の余地無く「SUNEAST2TB」に「置き換える」しか有りません。すると「SUNEAST2TB」をTime Machineとして利用するに当たってのパスワードの設定を求められます。今となってはTime Machineに於いては暗号化は必須となり、其の為にパスワードも必須です。暗号化に於いてはMacBook Pro 2016のTime Machine前機種に於いては此の処理に途轍も無い時間が掛かりました[※4] が、此れはMacBook Air M1 2020でTime Machineを導入する際に呆気無い程の短時間で済んだ経験[※5] もあることから、幾ら処理能力が劣るとは言え、OSも開発が進み、然も今機種ではSSDを採用しているからには、其れ程の時間を要すことも無いだろうと鷹揚に構えたものです。
パスワードを設定すれば「SUNEAST2TB」は準備中に入ります。恐らくは此処で「二代目MacBook Pro 2016 Time Machine襲名」項に先述した様に、改めてTime Machineとして適切なフォーマットが為されているのではないかと推察されます。然るべき処理が完了すれば、続いてカウントダウンが開始されます。「最古のバックアップ」も「最新のバックアップ」も勿論一つも無いのは当該ストレージに於いて最初のバックアップ実行である証明です。
カウントダウン完了と共にTime Machineとしての「SUNEAST2TB」の初動が開始されました。此の時2022年12月3日22時24分。Time Machineは差分バックアップであるのが売りですが、最初はTime Machineのバックアップ対象の端末のストレージに於ける全てのデータを暗号化しつつ複製する必要が有ります。対象端末としてのMacBook Pro 2016の此の時の使用済みストレージ容量を調べて見ると約8割弱の使用でしたから、MacBook Air M1 2020の際[※5] には入手当初のストレージ使用量の少ない段階でのTime Machine導入でもあり性能差も鑑みれば、可成りの時間を要しても致し方無しとの些かの諦念を抱いた処です。
Time Machine初動の処理は果たして凡そ予想通りの展開でした。MacBook Air M1 2020の様な短時間[※5] にはあらずとも、MacBook Pro 2016のTime Machine前機種の如き十日もの時間が掛かる[※4] 少なくとも日単位では無く時間単位で、其れも二桁には及ばない推移を見せ、如何やら眠い目を擦り擦り起きていなければならない様ではあり、Time Machineの開始は明日に持ち越せば良かったなどとも少し後悔しながら推移を見守ります。
待つこと3時間弱、日付を超えて2022年12月4日の1時16分に漸くMacBook Pro 2016二代目Time Machineのイニシャルバックアップが完了しました。MacBook Pro 2016の画面右上には「バックアップ完了“SUNEAST2TB”への初回バックアップ処理が完了しました。」なる通知がスライドインして来ました。此の時「SUNEAST2TB」の使用容量を見てみれば、699.41GBと「MacBook Pro 2016に接続された各ストレージ容量」と比較すれば些か小さな容量ですが、テンポラリーファイルなどの不要データの複製などは除かれているとすれば凡そ妥当な数値が示されています。又、現時点でもイニシャルバックアップ時間の比較対象たるMacBook Air M1 2020の使用容量は400GBを少し越えているに過ぎず、大凡初回バックアップの処理時間も同様に妥当ではなかろうかと思います。二代目の初回バックアップ処理は状況証拠から見ても過不足なく始末された様ですし、ストレージ容量としては購入時の目論見通り、此の残り容量ならばTime Machineとして役目を果たすのに問題はなさそうです。
二週間分の実使用時間計測データ
以上、初回バックアップ処理に要した時間は3時間弱でしたが、毎度の運用にこんなに時間が掛かって貰っては困ります。では日常のTime Machine処理に掛かる時間は如何程でしょうか。初回バックアップ処理を第0回として、以下に其れ以降、正規化と言うか或る程度のデータの均質化の為に毎日一度に限ったTime Machine処理を実行し、掛かった時間を以下に表にしてみました。一週間程のデータを取れば宜しかろうと思っていた所、一週間経った時点で倍と急に時間が長くなり始めたので二週間に増量した次第ですが、若しかしたら第0回のイニシャルバックアップとの差分の処理が複雑になるに当たって処理が倍増したのかも知れません。最初の週の倍増辺りにて安定し始めた所の二週間を以て再録期間としてみました。
回 | 日付 | 時間 |
---|---|---|
1 | 2022年12月4日 | 10分 |
2 | 2022年12月5日 | 12分 |
3 | 2022年12月6日 | 12分 |
4 | 2022年12月7日 | 10分 |
5 | 2022年12月8日 | 9分 |
6 | 2022年12月9日 | 2分 |
7 | 2022年12月10日 | 10分 |
回 | 日付 | 時間 |
---|---|---|
8 | 2022年12月11日 | 11分 |
9 | 2022年12月12日 | 16分 |
10 | 2022年12月13日 | 24分 |
11 | 2022年12月14日 | 24分 |
12 | 2022年12月15日 | 17分 |
13 | 2022年12月16日 | 24分 |
14 | 2022年12月17日 | 23分 |
回 | 日付 | 時間 |
---|---|---|
15 | 2022年12月18日 | 15分 |
16 | 2022年12月19日 | 11分 |
17 | 2022年12月20日 | 16分 |
18 | 2022年12月21日 | 15分 |
19 | 2022年12月22日 | 27分 |
20 | 2022年12月23日 | 24分 |
21 | 2022年12月24日 | 9分 |
回 | 日付 | 時間 |
---|---|---|
22 | 2022年12月25日 | 18分 |
23 | 2022年12月26日 | 12分 |
24 | 2022年12月27日 | 14分 |
25 | 2022年12月28日 | 8分 |
26 | 2022年12月29日 | 17分 |
27 | 2022年12月30日 | 30分 |
28 | 2022年12月31日 | 8分 |
此れを以て、ではMacBook Air M1 2020は如何だろうであったろう、と言う疑問が途中から湧き、第4回の2022年12月7日から併せて時間を取ってみました。2021年5月8日の記事[※4]にも有る様に此方はポータブルながらもHDDにて、故障前のMacBook Pro 2016に比べてmacOSがVenturaとなってTime Machine処理の必要時間が改善された、と思っていた環境です。「回」項目をMacBook Pro 2016に合わせてあるのは同日付ではiCloudの同期に仍ってバックアップ容量がほぼ同じになるからに仍って、比較の便宜の為です。此方は一年以上バックアップを取り続けていますから処理時間的には既に安定しています。以て両者の安定必要時間の比較が見られるものと思われます。
しかし上表と以下の表を以て見れば比較する迄もなく其の差は歴然の桁違いにて、MacBook Pro 2016にSSDを導入する迄は、MacBook Air M1 2020に於いてmacOS Venturaの導入で随分改善されていたと思った環境のTime Machine処理時間が悲しくなるのは、2018年6月12日の記事[※4] に記した処が恥ずかしくなるのと一般にて、此の時間を以て決して「速い」ものにはなくも「比較的」とは言え「早い」と思っていたのですから我が身を憐れみたくもなります。
回 | 日付 | マウント | 実処理 | アンマウント |
---|---|---|---|---|
4 | 2022年12月7日 | 10分 | 2時間36分 | 26分 |
5 | 2022年12月8日 | 12分 | 53分 | 3分 |
6 | 2022年12月9日 | 10分 | 1時間28分 | 9分 |
7 | 2022年12月10日 | 10分 | 1時間56分 | 8分 |
8 | 2022年12月11日 | 10分 | 1時間34分 | 9分 |
9 | 2022年12月12日 | 9分 | 52分 | 9分 |
10 | 2022年12月13日 | 8分 | 49分 | 4分 |
11 | 2022年12月14日 | 8分 | 1時間54分 | 6分 |
12 | 2022年12月15日 | 10分 | 1時間59分 | 1分 |
13 | 2022年12月16日 | 10分 | 1時間 | 1分 |
14 | 2022年12月17日 | 10分 | 56分 | 44分 |
回 | 日付 | マウント | 実処理 | アンマウント |
---|---|---|---|---|
15 | 2022年12月18日 | 13分 | 56分 | 44分 |
16 | 2022年12月19日 | 15分 | 51分 | 3分 |
17 | 2022年12月20日 | 10分 | 1時間16分 | 8分 |
18 | 2022年12月21日 | 12分 | 1時間46分 | 9分 |
19 | 2022年12月22日 | 16分 | 1時間12分 | 3分 |
20 | 2022年12月23日 | 8分 | 52分 | 1分 |
21 | 2022年12月24日 | 13分 | 1時間28分 | 3分 |
22 | 2022年12月25日 | 16分 | 1時間48分 | 45分 |
23 | 2022年12月26日 | 8分 | 37分 | 1分 |
24 | 2022年12月27日 | 10分 | 23分 | 1分 |
25 | 2022年12月28日 | 15分 | 50分 | 37分 |
26 | 2022年12月29日 | 8分 | 1時間19分 | 3分 |
27 | 2022年12月30日 | 12分 | 2時間17分 | 2分 |
28 | 2022年12月31日 | 9分 | 1時間54分 | 50分 |
糅てて加えてMacBook Air M1 2020はTime Machineの処理時間のみならず、ドライブのマウント、アンマウントの時間も別項目にして記さざるを得ない程の時間が掛かっています。此れは2021年5月8日の記事[※5] に記した様にHDDを二つのパーテーションに分け、プライマリのパーテーションにあらずして新規に設けたスレーブのパーテーションをTime Machineに割り当てたことが原因であるのがはっきりしているのは、プライマリのパーテーションはHDDのUSB接続と同時に認識されマウントが完了するからです。Time Machine用のストレージはパーテーションを分けないか、如何しても分けたい事情が有る場合にはプライマリのパーテーションへのTime Machineの割り当てを強くお薦めします。又、アンマウントにおいては、恐らくはポータブルHDDとして何らかの対処はされているだろうのでアンマウントした途端にUSB接続を抜いても良かろうとは思うものの、「カリカリ」とHDDに
macOS Venturaにアップグレードする以前には此れにクリーンアップの時間が加わっていたのですから全く馬鹿らしい時間が掛かっていたのでしたが、MacBook Pro 2016に至ってはmacOSのアップデートもならぬmacOS Montereyの儘にて「MacBook Pro 2016のTime Machine顛末」項目に記した通りの最早異常とも言って宜しかろう状況を状況を甘受していたのでした。斯うなるとMacBook Pro 2016のTime Machine用HDDの故障は有り難くさえ思えて来ます。
一方、MacBook Air M1 2020に於いては、此れではTime Machineの処理開始時には常にSSDに於けるイニシャルバックバップを実行しているのと同じ程の時間を要する覚悟が必要である状況が多々発生し、Time Machine処理が躊躇われてしまいます。MacBook Pro 201では此の状況が常態化していましたので、端末のTime Machine処理に対する姿勢が逆転する運びとなりました。
SSDとHDDの優位性比較
此れ迄運用の経験上得られた感覚的な知見に加えて、今回得られた定量的なデータに仍ってMacBook Pro 2016に於いてTime Machine機に使用するストレージのSSDとHDDの比較を独自すれば、以下の如くなるかと考えます。
本データは同じ端末ならぬMacBook Pro 2016とMacBook Air M1 2020と言うCPUのアーキテクチャさえ異なる端末間のデータにて、更にはmacOS自体にも差を余儀無くされ注意を要しはしますが、端末自身の処理速度及びOSの不利を鑑みてもSSD化は其の不利を補って余り有るものとなり、却ってHDDに対するSSDの優位性を際立たせる結果となりました。
処理速度は優位と劣位が例えば数分と十数分であれば桁が違えど問題にしない所でしょうが、劣位にあるものが分単位ならぬ時間単位で処理を要するとなると如何しても捨て置けません。此れだけでもSSD選択の理由になるでしょう。当該選択が従来法外な価格差に因って許されぬ状況であったのでしたが、SSDの値段も許容される程に
但し此の考察は飽く迄ポータブルたるMacBookを前提としている比較であって、例えば処理速度の高いMac Studioで大量のデータを扱うに給電を別として据え置いてTime Machineを接続した儘連続的に運用すると言う条件であれば勿論優位性は変わって来るでしょうことを、念の為記し置きます。
結言
以てApple社のポータブルPCたるMacBookの範疇に於いては、Time Machine機選定はSSD一択となるかと考えます。HDDを向後も使用し続ける予定の自身に取っても厳然たる事実を突き付けられるのは遺憾ではあるものの、最早、MacBookのTime Machine機のストレージタイプの選定に於いてはHDDは有り得ません。
今回Amazonから購入する際の要請として上に記した要約は「廉価2TB外付けSSDドライブ」でした。此れを分解すれば、要請の第一は処理速度、第二は価格、第三は容量でした。SSDとHDDを比較すれば価格、容量の二項目、即ち価格対容量比にまとめた項目に於いて今猶優位に有るものの、余りにも速度、即ち性能比が有り過ぎます。SSDの廉価化に仍って価格容量比の劣勢を補って猶余りある性能比は遂に全体としてSSD化の優位を招来したものとなった様です。
補完的にはSSDにはHDDに対する優位性に更に可搬性、耐衝撃性が加わります。2021年5月8日の記事[※5] にも歴代Time Machineの大きさ比較の写真を掲載した余勢で今回も倣いましたが、図らずも此れはSSDの優位性の一つで有る低容積を示しました。実際、使用していてMacBook Air M1 2020ではバス給電ながらも、此処に於いて浮上したもう一つの耐衝撃性の弱点も鑑みてとても表に持ち出せる気にはなれませんでした。処理時間を見ても外で移動しながらTime Machine処理を行うのは躊躇われますが、今回使用してみてSSDであればポータブルTime Machine機として実使用に耐え得る様に強く感じています。更には今回は検討外としたバス給電の消費電力は外出時の運用となれば比較要素の一つとして必須となり、恐らくは物理的回転駆動系に依存しないSSDに有利に働くでしょう。持ち出し前提のスリムなデザインのMacBookのTime Machineでは今回補完的扱いである可搬性、耐衝撃性に加え、バス給電時の消費電力も加えた条件が、今後選択時に重きを為すのかも知れません。
扨、此処迄利用側の事情を考えて来ましたが提供側は如何考えているのでしょうか。推測にしか過ぎませんが、恐らくはApple社もTime MachineにはSSDの利用を条件とする方針にシフトしつつ有る印象を受けます。実際、OSのアップデートに合わせてか如何かは分かりませんが、徐々に長くなるTime Machine処理時間は、Apple社としてもTime Machine機には基本的に速度の向上を前提としている感が拭えません。今やHDDを内部ストレージとするポータブルMacは存在しないのですから、若しApple社が其の様に考えていても不思議ではありません。此の如き考察は決して公式には表に出ませんし、表面化するのもすっかり世に知れ渡って今更感を伴うのが常ですし、大して自ら使用しもしないApple製品を取っ替え引っ換えするガジェット系メディアの発信情報にも決して含まれない情報ですので、本記事も其れなりの価値を提供出来るものと手前味噌ながら考えます。
本記事を以て読者諸氏が如何感じられるかは様々とは思いますが、今回のレポート記事をものしてみたからには、次回Time Machine用ストレージ購入には自身にはSSDしか考えられない方向が浮き彫りとなりました。
追記(2022年12月31日)
「二週間分の実使用時間計測データ」に於いて配信時の二週間分に加え、其の後の二週間分のデータを加えました。“MacBook Pro 2016に於けるSSD外部ストレージ「SUNEAST2TB」の日常のTime Machine処理に掛かる時間追記二週間分”表と“MacBook Air M1 2020に於けるHHD外部ストレージの日常のTime Machine処理に掛かる時間追記二週間分”表です。従って計測データは都合四週間分となりました。データ量の倍増を以て参照に値する比較的安定したデータが提供出来たものと思います。自身には以てMacBook系のTime Machine用ストレージの選定に於いてはSSDしか有り得ないとの思いを強くするものとなりました。猶、初回Time Machine処理後の「SUNEAST2TB」の使用容量は699.41GBでしたが、毎日一度のTime Machine処理を28回繰り返した四週間後の今の使用容量は751.82GBであることも併せて、何某かの参考に記し置きます。
追記(2023年1月13日)
本記事配信時及び二週間分の追記時点に於いてのデータは成る可くデータ取得時の条件を合わせる為、大きなアップデートは控えていました。何となれば数GBのファイルをダウンロードして端末に適用するに当たっては、其の分Time Machine処理時間も伸び、又、二端末間の条件も大きな差異が生じると考えたからです。今は当該桎梏も外れましたので、macOS及びXcodeをアップデートして、其の際のTime Machine処理時間を控えて置きましたので、以下に参考に供します。
- Macbook Pro 2016 Late 13インチ発注物語(Acenumber Technical Issues:2016年11月20日)
- Macbook Pro 2016 Late 13インチ一週間使用報告(Acenumber Technical Issues:2016年11月26日)
- アップル社にMacBook Pro 2016のバッテリー交換を依頼する(Acenumber Technical Issues:2018年7月31日)
- MacBook Pro2016のTime Machine導入記(Acenumber Technical Issues:2018年6月12日)
- MacBook Air M1 2020のTime Machine導入記(Acenumber Technical Issues:2021年5月8日)
- MacBook Air2013のmacOSをMojaveからCatalinaを素っ飛ばしてBig Surにアップグレードしてみた(Acenumber Technical Issues:2021年10月17日)