ジョブズ亡きアップル社注目の1~3月期四半期決算、驚異の粗利率

カリスマ的経営者 スティーブ・ジョブズ 氏が遂に世界最大の企業にまで育て上げたアップル社が 氏亡き後の注目の四半期決算が発表されました。

アップル社注目の四半期決算

ITmediaニュースの本日2012年4月25日の記事 Apple決算、iPhoneとiPadが好調で純利益倍増 にその数字が伝えられています。

記事にある地域別売上高から円グラフを作成してみたものが右上のものです。 なお、この円グラフに於いては日本がアジアに含まれるかどうか 判然しないことから別扱いとしています。 これらの売上高全てを加えてもアップル社の売上高には及びませんので その他地域の数値が含まれてはいないことになります。 大凡の参考迄に留め置き願い度思います。

また記事に記載される数値を一覧出来るように表化したものが下になります。

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金額/台数前年同期比
売上高391億8600万ドル59%増
純利益116億2200万ドル
(1株当たり12.30ドル)
94%増
粗利率47.4%+6ポイント
iPhone販売台数3519万台88%増(約2倍)
売上高226億9000万ドル-
iPad販売台数1180万台151%増(約2.5倍)
売上高65億9000万ドル-
Mac販売台数400万台7%増
売上高50億7300万ドル-
iPod販売台数770万台15%減
売上高12億700万ドル-
iTunes Storeや
iBookstoreなど
での売り上げ
21億5100万ドル32%増

一見して巨大企業のものとは思えない 軒並み数値が二桁の伸びを示していることが分かります。

マイクロソフトの史上最高時価総額に迫るアップル

今年2012年4月初旬にはアップル社の時価総額が 6,000億ドル、日本円で凡そ48兆円となり マイクロソフト社がが前世紀末1999年に叩き出した 史上最高の時価総額に迫る数字となっていることは 日本メディアにも伝えられて耳新しいところです。 この時価総額は日本のトップ企業、トヨタ自動車の約4倍となります。 今回の四半期決算の並みならぬ増収増益報告は 図らずも市場の評価が正しいことを証明した形になりました。

現在マイクロソフト社はWindows7に続く次期OSである Windows8の販促に躍起になっていますが、 OSに於いて支配的なそのWindows市場は そのまま引き継がんとするには些か巨大になり過ぎた感があります。 その恐竜の如きOSは舵もなかなか切り難いものとなっていることが伝わって来ます。 新ユーザーインターフェースのMetroも強力なリーダーシップにより生み出されたものには感じられません。 まだまだ詳細な情報は出て来るところではありませんが、 ネット上に出回る情報を徘徊しながら拾っていると、 現在の市場をそのまま引き継ぎたいがための 合議制に因って大方が何とか肯いた上で作り出された成果にも見えて来てしまいます。

一時期アップル社がマイクロソフト社に、と言うよりは スティーブ・ジョブズ氏がビル・ゲイツ氏に資金供与を受けた苦境に喘いでいた時期には アップル社は過去の資産をすっかり清算し身軽になって次代に臨むことが出来ました。 今のマイクロソフト社にそれは無理な注文でしょう。 マイクロソフト社が記録した金額は6,200億ドルでしたが、 この記録も破られるのは若しかしたら間近に迫っているのかも知れません。

鈍化するも伸びは見逃せないMac

記事中にはMacの売り上げが鈍化したと述べられ アップル社CEOのクック氏がエクスキューズとして iPadにシェアを奪われたのが一因であると言及したことが伝えられますが、 iPadは同社製品である上にMac自体も販売台数は伸びているのです。 これは何も一般の方がわざわざコンピュータなどという代物を使う必要がない と考えられ始めた世相を反映していると思われます。 アップル社はiPadに於いてその世相を先取りしたとも言えるでしょう。 新iPadの発売と同時に399ドルに値下げしたiPad 2も好調とされることがそれを証明しています。

併せてクック氏は MacBook Airは好調で、このシリーズでの革新を継続する、 とも語られたそうですが、革新されるかは兎も角、 Macカテゴリーとしての高からぬけれども好調さが堅持されるのは疑いのないところでしょう。 そしてそのターゲットはiPadとは確実に異なる ITコアユーザーとなるものだと思われます。 端的に言えばiPhoneアプリなどの開発者がそれに当たるでしょう。

例えばアルファブロガー ホームページを作る人のネタ帳 さんでは2012年4月24日の記事として Windows好きな私が仕方なくMacを買ったのでとりあえずMacをDisろうと思う を配信していますが、ここにはiPhoneアプリ開発のため仕方なくMacを購入したものの その魅力に瞬く間に惹き込まれていく様が描かれています。

また昨日と本日2012年4月25日にちょうど開催されているマイクロソフト社の Windows Developer Days には多くの開発者が足を運びますが、 その会場には多くのMacが見られると言うもの特徴的な事象でしょう。

驚異的な利益率の維持

今回の決算データ、上表中に特徴的なのはまた、その 粗利率 、47.4%でしょう。 日本メーカーでは聞いたこともないような数字でありながら、 それは更に6ポイントの伸びを示しているのです。

そしてそれは本ブログ2011年10月29日の記事 アップル社の驚異的な粗利を見る、iPadは4割、iPhoneは何と7割! でも驚きを以て伝えたところでした。 記事中にもジョブズ氏逝去前後で四半期決算データを示しましたが、 それはなお歳を越した現在も生きています。

評伝 スティーブ・ジョブズ I を読めば改めて現在のアップル社の製品が その昔、初期型マッキントッシュから一貫したポリシーに基づき開発されていることが分かります。 そのシンプルさ、妥協のないユーザーインターフェース、 など、今のiPhoneやiPadに継がれる精神です。 現在苦境に喘ぐ国内家電メーカーから見れば、 その特筆に値すべき製品数の少なさも ジョブズ氏の製品に掛ける情熱から考えれば自然なことであることも…。

死せる孔明、生ける仲達を走らす、ではありませんが、 まだまだスティーブ・ジョブズ氏がこの世に掛けた魔法、 現実歪曲フィールド はその効力を発揮し続けるのかも知れません。

1件のコメント

  1. ジョブズ評伝を補完して倍楽しめる~メイキングオブピクサー

    画期的コンピュータ、マッキントッシュもそして代表的スマートフォンのiPhoneもこの人がいなければこの世に存在しなかったスティーブ・ジョブズ氏の評伝については本ブログでも何度かお伝えしました。評伝スティーブジョブズI・II本ブログに伝えた記事は以下決定版!評伝ステ

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