シュミット氏講演に見るGoogleとモトローラモビリティーの思惑

エリックシュミット氏は今年2011年4月4日に創業者ラリーペイジ氏に Google社CEOを譲り現在は同社会長として活動しており、 その発言は クラウド の命名者として記憶もされるように常に、 そして最前線を退いた今もなお注目されています。 TechCrunch2011年11月9日付けの Devin Coldewey氏による記事の邦訳 エリック・シュミット:モトローラ・モビリティーは優遇しない では2011年11月7日に韓国で講演した際(そのソースはロイター Google chairman says will not favor Motorola )のGoogle社製スマートフォンの基本ソフトウェア Android(アンドロイド) に関する気になる話題を2つ伝えてくれています。

一つは スティーブ・ジョブズの伝記 でAndroidが 盗品 呼ばわりされることへの汚名返上を図っての発言ですが、 Coldewey氏に少々揶揄を含めた反論を受ける憂き目を見たようです。

それはさておき本記事で取り上げたいのがもう一つの話題…

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本ブログでも2011年8月16日に Googleがモトローラ・モビリティを買収 として扱った買収してGoogle社の傘下に入った Motorola Mobility(モトローラ・モビリティ) についての言及です。 Google社の関連子会社となってことで同社が Androidスマートフォンを作るとき特別な待遇を受けるのか否か、 と言う質問に対し Androidのオープン性を損うことがないよう、十分かつ独立に運営していく・・・これまでと運営方針は一切変わらない と応えたことに対し、 私は彼を信じる。なぜなら、必要がないから。 との主張をしています。

その根拠を最もGoogle社がAndroidを金の卵とするのに恐れるのは バージョンの不揃いなAndroidが市場に出回ることが定常状態になることであり、 その為にモトローラ・モビリティを特別扱いすることは 定常状態への逆行であるとの判断だと思います。

会議風景:写真素材の足成より もう一つモトローラ・モビリティが ハードウェアに固執しないのではないかと考えさせられる 面白いフィクションを中島聡氏が自身によるブログ Life is beautiful の2011年11月8日付けの記事 GoogleによるMotorolaの買収の舞台裏 として掲載されています。 モトローラ・モビリティの買収時の思惑を 同社役員同士の会話という設定で 2011年9月15日の:RETHINK WIRELESSの記事 Patent panic forced Google to pay high for Motorola を状況証拠としてフィクションドラマ風に再現されています。 どうしてもAndroid陣営の切り札としてモトローラ・モビリティのパテントが欲しい Google社の形振り構わない対応が伝わってくるようです。 其処にはハードウェアとしてのスマートフォンの影も形も出て来はしません。 それどころか役員の一人は問題なくライバル社に移籍出来る様に Google社との契約を上手く進めている話さえされています。

これらから鑑みてどうやら Google社に基本ソフトウェア提供者としての優位性を利用した スマートフォン端末を用意する気持ちはなく、 Android陣営に於ける平等な競争は維持されるのではないかと思います。

競争は公平な条件化で維持されるとは思われるものの、 しかしてさて、iPhoneがiTunesに拠り達成している 基本ソフトウェアのバージョンの市場での統一が、 Coldewey氏が条件として述べられる様な 日頃バージョン番号など気にかけない人たちの間で プラットフォームのレベル低下が起き始める前に実現されるかは甚だ難しい、 と言うより最早怪しい気がしてなりません。