Facebookが一般アプリに位置情報APIを公開

Building Better Stories with Location and Friends と言うタイトルには如何に多くの意志が感じられることでしょう。 Facebookの開発者ブログに2012年3月7日、 Alex Wyler氏に依って投稿された記事です。

Facebookが新しく提供するAPI

人生の魅力的なストーリー作りを支援するシステムをFacebook上に提供することになったと 高らかに謳い上げるその要諦は、 今迄Facebook上に築き上げられた友達関係と位置情報との連携にあります。 従来はFacebook上に上げられる位置情報は 一般のアプリから使用することは出来ませんでした。 これが開放されたことに拠り、 様々な形で位置情報をFacebookアプリが取り込み、 それを利用するFacebookユーザーに 更にタイムラインを豊かにしてもらおうという腹積もりのようです。

今回、Facebookが公開した…

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APIにより 一般アプリから近況、写真やリンクなどを投稿する際に友達情報や位置情報を 加えることが出来る様になりました。 今迄自ら投稿する際は可能であった機能が 一般のアプリにも開放されたという寸法です。 ますます、SNSに於いては位置情報が重要な位置付けを占めることになって来た訳です。

プラットフォームとしての位置情報サービス

この発表に加えた内容を読めるTechCrunchから2012年3月8日に配信された Josh Constine氏の稿が日本語訳されています。 Facebookの位置API公開によって複数のアプリ間の相互運用性が劇的に高まる この記事に依ればこれからは上記の投稿時のみならず、 一般アプリからFacebook内の位置情報データにもアクセス出来るようになるようで これからはアプリ開発者は位置情報機能をアプリに実装しなくても 位置情報サービスを提供出来るようになると記されています。

注目すべきはAPIとして一般アプリに位置情報を開放することで 必然的にFacebook自体が位置情報サービスのプラットフォームとして働くことです。 実はこれは実に重要なことであり、 本ブログでも2012年3月4日の Foursquare(フォースクエア)の劇的変化 前後編2記事

で触れ、特に後編の後半2段、
  1. 高まるFoursquareの企業価値
  2. サードパーティに見られる新たな可能性
ではサードパーティのプラットフォームとして機能し始めたからこそ Foursquare社の企業価値が高まるとした処です。

恐らくFacebookとFoursquareは此処では その目的が重なることになるのではないでしょうか。

変容を重ねる位置情報サービス

そして実に興味深いのがFacebook側の代表たる 新任プロダクトマネージャJosh Williams氏が実は Facebookが最近買収したGowallaのファウンダであるとされています。

Gowallaと言えば本ブログ2012年2月15日の記事 位置情報サービスまとめのまとめ2012年版 にて位置情報サービスを4つにカテゴライズした内の一つ Foursquare系 をFoursquareと共に構成するもう一つの位置情報サービスのそれでした。

今Foursquareとチェックインを元にした位置情報サービスで鎬を削っていた 独立独歩であったGowallaはFacebookの陣営に加わり 知り尽くしたチェックイン機能を武器にFoursquareと争うことになるのかも知れません。

2月15日の記事に書いたように位置情報サービスは 其の業界も業態も流動性が激しくまだまだ予断を許しません。 TechCrunch3月8日の記事の末尾を締めくくる如く

Facebookは、位置データのハブになっていく。 そして自社のコンテンツフィードと広告のターゲッティングを充実させつつ、 より広範囲なイノベーションを促進する。
とFacebookの目論見通りとなるのでしょうか。 それとも位置情報サービスとSNSが絡み合いながら変転し 新たな展開を見せることになるのでしょうか?