ジャイロスコープと地磁気、加速度センサ及び位置姿勢センサ

先日は去年2011年の年末にセンサの技術者の方と歓談する機会を得て、 其処での話柄で自分に取って実に興味深く思えた内容がありました。 しかし改めて調べて見るとどうやら激しく勘違いしていた感があるので、 本記事に備忘録として残しておこうと思います。

勘違いの命題

その勘違いを命題に表せば ジャイロスコープは加速度センサ及び地磁気センサの協働で実現される と言うものです。 この命題が真たれば即ちジャイロスコープは加速度センサと地磁気センサの存在有ってこそ 初めて存在が可能となるセンサとなります。 ところがこのジャイロセンサについてネットで調べて見ると…

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ジャイロスコープはジャイロスコープとして単体で存在し シリコンウェハーズ上の極々小さな素子として実現されているのです。

加速度センサとは

加速度センサとは其の名の通り加速度を検出するものです。 身近な処では任天堂のゲーム機Wiiのコントローラー、Wiiリモコンに搭載されている モーションセンサー なるものは実は 3次元加速度センサー です。 関連記事はITmediaの以下リンク先にあり詳細が記されています。

「モーションセンサー」ってどんな仕組みなの?

地磁気センサとは

地磁気センサは勿論地球の磁気を検出する平たく言えばコンパスですね。 地球を絶対軸とする方角を検出出来ることになります。 2軸、3軸などの種類や磁気補正に関する詳細もありますが 有態に言えば前後左右上下を見つけ出すセンサです。

Android1.5でサポートされるセンサの種類

さてではセンサにはどんなものがあるか考えて見るに adakodaブログのコンテンツの逆引きAndroid入門の 以下リンクを貼る記事に於いて Android SDKでサポートしているセンサーの種類としては Android1.5に於けるものが記されています。

センサー(Sensor)を使用するには

参考のため、 記事に挙げられる処を以下に列挙します。

  1. Sensor.TYPE_ACCELEROMETER・・・加速度センサー
  2. Sensor.TYPE_MAGNETIC_FIELD・・・地磁気センサー
  3. Sensor.TYPE_ORIENTATION・・・傾きセンサー
  4. Sensor.TYPE_GYROSCOPE・・・ジャイロセンサー
  5. Sensor.TYPE_LIGHT・・・明るさセンサー
  6. Sensor.TYPE_PRESSURE・・・圧力センサー
  7. Sensor.TYPE_TEMPERATURE・・・温度センサー
  8. Sensor.TYPE_PROXIMITY・・・近傍センサー

此処では加速度センサ、地磁気センサと独立して ジャイロセンサ、即ちジャイロスコープがリストアップされています。

ジャイロスコープの検出事項と仕組み

此処に於いてどうやら激しく勘違いしていたと思われるのは ジャイロセンサの定義についてであって即ち本来 角速度 の検出であるものを別のものの検出と誤って認識していたため 技術者との会話に於いての齟齬が生じたのだと推測します。

ジャイロセンサの仕組み ジャイロセンサにも種類がいろいろありますが、 本ブログ運営者の脳裏にあって興味深いと思わせたのは 本ブログにも屡登場する話題であるスマートフォンに於ける搭載であります。 するとどうやらスマートフォン向けに適しているのは 他方式と比べ精度はもう一つながらも単純な仕組みのため 信頼性の高い振動型ジャイロセンサとなります。 その仕組みはフーコーの振り子に地球の自転に因るコリオリの力が働き振り子の方向が 赤道に無い限りずれるのと同じく、振動子に働くコリオリの力を 電気信号から読み取り角度、角速度を検出しようというものです。 そうとなれば極々単純に考えれば振動子に端子を付けただけのシンプルな装置があればよく、 上に紹介した地磁気センサと加速度センサを組み合わせたような 複雑な機構は必要ないことになります。

その話柄を思い起こせば加速度センサのみにてはそのパラメータは検出出来ないのであって それには基準となる軸が必要でそれこそ地磁気センサなのである、というものです。 察しの良い読者は最早お気づきでしょうが 本ブログ運営者の勘違いはジャイロスコープに於いて検出されるものの正解は 角度及び角速度である処を、位置及び姿勢を検出する、 と朧げながら思い描いていたと言う甚だしく的を外れたものでした。

位置・姿勢センサについて

ネット上に関連の開設を求めれば 京都大学の丸谷宜史氏に拠るページが有りました。

位置・姿勢センサ

以下に記事より関連部分を引用します。

姿勢を求めるにはジャイロセンサが便利ですが, 非常に高価なものでない限り, ドリフトによりだんだんと姿勢がずれていくという問題があります. また重力加速度(地球の重力)を利用して姿勢を求めるために加速度センサを利用することもありますが, これは運動そのものによって発生する加速度により値が乱れますので,早い動きには向いていません. また鉛直方向のずれは補正できますが, 方位方向(鉛直軸周りの回転)のドリフトは加速度センサでは補正できませんから, 別途地磁気センサ(電子コンパス)の利用も考える必要があります. そこでこれらを組み合わせることで安定化を図ることができるのです

此処では本ブログ運営者が件のセンサ技術者と話した際に茫漠と思い描いていたものを 輪郭もくっきりと明瞭に詳らかにしてくれた感があります。 本ブログ運営者の的外れな疑問に敢えて専門家が敷居を下げる為に 事実と違う誤解を恐れぬ例えをしてくれたか、 明瞭なる回答も模糊たる本ブログ運営者の脳内で都合良く置換されたか、 に因ってどうにも当時の覚えとネットの解説が嚙み合わない状態を招いたのでしょう。

孰れ折り在らば件のセンサの技術者に 本記事を見て貰った上での意見を拝受したい腹積もりではいます。 さて、どうなることやら。

1件のコメント

  1. 高まる日本版GPSへの期待~予算要求額を大幅に上回る106億円

    photo credit: cliff1066™ via photopin cc自動車へのナビゲーションシステムの搭載は今や当たり前、カーナビと称して親しまれています。これは移動中に現在位置が地図上の何処に中るのか知ることが出来て初めて可能になります。これを実現するのに利用されるのがGPSです。近

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