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ドメインと言う仕組みがあるからこそインターネットアドレスと物理的なサーバーは分離され ドメインは自らが長く管理して資産ともなり得るのでした。 ドメインの管理業者を取り替えるのは本ブログに幾度か紹介しましたし、 ホスティング業者を取り替えるのも一般的なことです。
ムームーDNS
ドメインの移管についてものした記事は以下のリストの如きものでした。
- ドメインの移管で経費節減(2011年6月29日)
- お名前.comからムームードメインへドメイン移管する(2011年12月22日)
- お名前.comからムームードメインへ再度ドメイン移管する(2012年3月8日)
此処に頻出するように ムームードメイン はドメイン管理業者、レジストラとしては一般に広く使われる業者の一つです。
レジストラでは今では凡そ自社に任された管理されるドメインのDNS設定サービスを提供しています。 ムームードメインに於いてはそのサービス名を…
ムームーDNS と呼んでいます。 このサービスを使えば独自ドメインに於いてホームページサーバーには何処の、 メールサーバーには何処の、他にもグループウェアであるとか、メーリングリストであるとか、 オンラインストレージであるとか様々な実使用する物理的サーバーの宛先を 指定することが出来ると言う寸法です。
ムームーDNSの特徴と問題
ムームーDNSを提供する母体企業は 株式会社paperboy&co. で他にも様々なサービスを提供しています。 そのサービスはレンタルサーバーや、ホームページ、ネットショップ、ブログなど IT企業ならではのインターネットサービスですから ドメインと密接に関係します。 管理独自ドメインとこれ等インターネットサービスを連携する機能が ムームーDNSには装備されているのです。
この連携サービスはIPアドレスなどを扱わなくて済むため 扱いが比較的容易なものとなっています。 また提供される同社のインターネットサービスではIPアドレスが提供されないものが多い為、 サブドメインなど少し込み入った扱いをするものもムームーDNSでは扱えるようになるのでした。 また勿論一般的な外部のサービスと連携するDNS設定も可能となっています。
しかし此処で問題なのは同社内での連携サービスに於いて些か自由が効かない面があることでした。 手元の環境で同社の提供するレンタルサーバー チカッパ を利用しているものの管理を中途から引き継いだものがありホームページを運用しているのですが 同じドメインでサブドメインを新たに此れも同社サービス heteml(ヘテムル) を利用したものに振り向けようとして問題は発生しました。
ムームーDNSで発生した問題
手元の環境で具体的に設定しようとしたのが下図になります。
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これでムームーDNSを適用し、ネームサーバーにムームードメインのものを指定すれば サブドメインが無い場合、wwwの場合はチカッパのサーバーに、 testの場合はhetemlに繋がる筈です。 しかしそうはなりませんでした。 testのみに繋がりチカッパに有る筈のホームページは表示されなくなってしまうのです。
大変困った事態ですのでネームサーバーを元のチカッパのものに戻します。 しかしそれだとチカッパのものは見えるようになるのですが 今度は逆に新しく見たいhetemlのホームページが見えなくなってしまうのです。
原因の推測
ネームサーバーを切り替える度に両ホームページの表示、非表示が切り替わりますから どちらのチカッパのネームサーバーにはhetemlのムームーのネームサーバーにはチカッパの Webサーバー情報が書き込まれていないものと思われます。
この状態ではムームードメインの明言している 『 ムームーDNS 』 を利用すると、同じドメインで、 弊社サービスの中から複数のサービスを利用することも可能になります。 旨の約束が果たされていません。
兎も角ネット上でいろいろ調べていると どうやらチカッパのサービスが停止されロリポップに統合された様子が窺えました。 するとチカッパで運用している積りでムームードメインの表示もそうなっているものの サーバーはロリポップに移っており、チカッパネームサーバーは其方を指し示していることになっていると考えられます。 そうであればムームーDNSでチカッパを利用する設定をしても チカッパのサーバー自体が失われていることで表示されるわけも有りません。 しかし手元の環境の具体的設定図を見ればチカッパは用意されているものの ロリポップは見当たりません。
以上からどう考えてもサービス提供側の不具合としか思えず サポートにお問い合わせフォームから疑義を呈してみたのです。
ムームードメインサポート
問い合わせた時間は受信通知のメールを見ると1月2日の午前11時16分、 返信が有ったのがその日の午後6時ちょうどでした。 同社はその廉価で以て既存サービスに割り込みましたから 廉かろう悪かろうのイメージを抱いていた処にこの返信の速さは驚きでした。 先ずは松が明ける迄は音沙汰ないだろうと推測した失礼はどうにも謝罪せねばならないようです。
その内容は以下の通り、 的を得たものでもありました。
*今回、チカッパ!のネームサーバに切り替えられておりますため、 ムームーDNSで、「サービス:チカッパ!」で選択されている項目が 反映されなくなっております。
これは、チカッパ!レンタルサーバーが、ロリポップ!へ移行したためでございます。
どうやらほぼ推測は当たっていたようですが、 ムームードメインでは確りその対策が用意されている訳で、 ロリポップのユーザー専用ページでムームーDNSを利用するための移行手続きが必須となっており、 同メールにはその移行手順が上の文に引き続き書かれていました。 以下その手順に従いムームーDNSへの移行手続きを実施して見たものです。
ロリポップでのムームーDNSへの移行手続き
先ずはロリポップへログインします。 この時手元の環境の独自ドメインでログインしています。
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ログインしたら左の管理メニューから独自ドメインにカーソルを合わせると 右に示す図のように子メニューが3つ現れますのでその最下行の ムームーDNSへ移行 を選択します。
すると下の図のようにプルダウンメニューのドメイン選択画面が表示されますので、 ムームーDNSへ移行したいドメインを選択します。
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画面遷移はしないまま表示は下の図のように切り替わります。 ムームーDNSに移行出来る条件としてはムームードメインで そのドメインを管理していることが必要なのは勿論です。 手元の環境では問題なく条件を満たしているのは図の通りです。
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一番下に表示されている 移行する ボタンをクリックします。 上手く行けば下の図のように仮登録の状態になるでしょう。

ロリポップ側の設定はこれで完了です。
ムームーDNSを設定する
以上のロリポップ側の移行手続きを終えた上で再びムームードメインにログインし ムームーDNSの設定画面を見てみると以下のように ロリポップが選択肢として増えています。
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チカッパをロリポップに切り替えて設定を保存します。 まだこの時点ではネームサーバーがチカッパになっていますから ムームーDNSを使用するように切り替えます。
下の図のコントロールパネルの ネームサーバー設定変更に移動し対象ドメインの ネームサーバー設定変更 をクリックします。

すると提供されるネームサーバーの一覧が表示される画面に遷移し 下の図のようにムームーDNSが最上部となっています。 手元の環境ではチカッパのネームサーバーに設定してありましたので ムームーDNSのラジオボタンをクリックして設定を切り替え保存します。

下の図のように 【ムームーDNS】へ設定変更を行いました。 と表示されれば上手く行ったことになります。 後はDNS設定の浸透するのを待つだけです。
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DNS浸透の確認
このようなサービスでは大凡注意書きにあるのは 設定から実際のオンラインのホームページにそれが反映される迄に 数時間から数日掛かる場合がある、と言うものです。 此処等辺りが一般に勘違いされている印象の大きいもので デジタルだからスイッチを切り替えれば全てが其の場で反映されると思われている節があります。 インターネットにドメインはただ一つのもので その切り替わりが世界中に張り巡らされたネット上に反映されるのは時間がどうしても必要となります。 じっくり待ちましょう。
しかし時間が掛かれば次第に不安になるのも人情です。 そんな時に確認を幾らか早めることも出来ます。 世界中に設定が徐々に反映されて行くと言うことは 反映されている地域とされていない地域が共存する時間帯も存在すると言うことです。 手元の環境でもパソコンからは設定の反映が確認出来ないのに 携帯電話から新しく設定したサブドメインで確りホームページが見える時間帯が有りました。 その際に使えるのがGoogleの提供する Public DNS — Google Developers や、また株式会社シーマンが提供する HTTPチェック【外部からの疎通確認】 などでネームサーバーを普段参照しているものから切り替えて確認すれば 早めに確認出来る場合があります。