オープンソースと言う仕組みを通して 世に広く普及したソフトが原作者の手を離れ、 その命脈を保ったのが FFFTP という手元のパソコンとリモートのサーバー等とファイルの受け渡しをするWindows用のソフトでした。 本ブログで取り上げ 停止されたFFFTPの開発再開へ、セキュア接続が鍵か? なる記事にしたのが2011年10月13日のことです。
有志の手により開発が継続されることとなっての続報が齎されたのが…
これも本日付けのインプレスInternet Watchのニュース 「FFFTP 1.98c」公開、FTPS Implicitに対応 です。
FFFTP リリースノート の変更履歴の改版リストに於いて 最新版のバージョン1.98cの項目に 今回のバージョンアップの詳細が記されていますが その内Internet Watchが記事内に取り上げているものを以下に列挙します。
- FTPS Implicitによる接続に対応
- アスキーモード転送の際の漢字コード変換でUTF-8(BOMなし)への変換をサポート
- 日本語ドメイン名のホストへの接続時にアドレスをPunycodeに変換してから接続するようになった
- ホストへの再接続時にホストの現在のディレクトリが再設定されないバグなど、複数のバグの修正
FTPSとは FTP(File Transfer Protocol:ファイル受け渡しの約束)のお尻に安全な接続を示す S(Secure) がくっ付いたもので手元のパソコンとサーバーとの接続を安全に行おうと言う約束です。 少し専門的には FTP over SSL/TLS と記しFTPで送受信するデータをSSLまたはTLSで暗号化するプロトコルとされます。 サーバーに用意されたサーバーの身元証明書を利用して暗号鍵を生成し、 その鍵を使ってデータを暗号化して遣り取りするので盗聴されても中身は知られないことで 安全性が図られるという寸法になっています。
また今回のバージョンアップではFTPSの暗号化通信を開始するタイミングで 2種類に分けられる内でも通信直後から開始する厳格な Implicitモード に対応した旨、謳われています。
このFTPSと呼ばれる方式ではサーバーに証明書を用意するコストが掛かることが、 暗号化による安全とのトレードオフになります。 誰でも気軽に使い始められることで普及したFTPソフト FFFTP でしたが、時代の波に揉まれ様々な機能を付加されることになり、 今回は愈々予ねて懸念の暗号化通信機能も有することになりました。 吾人も時代とともにこのソフトの様にITリテラシーを増して行かなければならないのかも知れません。