アップル社が再取得した位置情報サービス関連特許の影響力

特許庁:素材素材足成より ビジネスに於いては勿論、 災害時にも大きな力を発揮されることを期待され、 本ブログにもカテゴライズする 位置情報サービス に関連する特許について昨年末米国で動きがありました。 本件はアップル社が大きな影響力を持つことになるかも知れない事案です。

これを知らせてくれるのは CNET Japanの2011年11月17日の記事 アップル、広範な位置情報サービス関連特許を取得 です。 元々はXerox(ゼロックス)社が1998年2月13日に出願し2000年9月19日に取得した特許 United States Patent:6,122,520:Xerox Corporation(2000年9月19日) に於いてアップル社は2009年12月17日にこれの所有権を得た上で、 2011年11月15日に再取得に至ったというものです。

そのアップル社の再取得に至ったという特許が…

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米特許:RE42927:Apple Inc.(2011年11月15日) であり、確かにIssue Dateが2000年9月のPatent Number 6122520について Reissueなされたものであることが記載されています。

特許のReissue(再交付)については 日経BP知財Awareness前川有希子の米国特許Insight の一連の記事が詳しいようで中にも 米国特許の“再交付(Reissue)”で認められる補正とは? が役立つかも知れません。 一部引用すると

米国特許法251条は、特許権者が既に交付された特許を補正する手段として、 特許の“再交付(Reissue)”を認めている。 特に、交付された特許のクレームの記載が 保護すべき発明の範囲を示すものとして適切ではないと特許権者が認識した場合、 クレームの補正を行うために再交付が利用される。
となっています。

さて、今回アップル社が再取得した特許のCNET Japan記事が恐らく言う処の 最初の請求項について見てみましょう。

ほとんどをGoogle翻訳に頼り要約の英文を日本語に以下の如く訳出を試みてみました。 誤訳等の指摘あれば助かります。

System and method for obtaining and using location specific information Abstract A location information system uses a positioning system, such as the civilian Navstar Global Positioning System (GPS), in combination with a distributed network. The location information system includes a radio transceiver for communicating to the distributed network and a GPS receiving system.
位置固有の情報を取得して使用するためのシステム及び方法 要約 位置情報システムは、 民間のNAVSTAR全地球測位システム(GPS)などのような測位システムを 分散ネットワークとの組み合わせて使用する。 位置情報システムには分散ネットワーク、 及びGPS受信システムと通信するための無線トランシーバが含まれている。

Wikipedia:GPS衛星 に依ればGPSに用いられる人工衛星であるGPS衛星はその正式名称を NAVSTAR(ナブスター)衛星と呼ぶそうです。

無線トランシーバーという語彙が用いられている部分が 元は1998年にXerox社に依り書かれたものだということを感じさせられます。 現在なら差し詰めスマートフォン…とは記されない迄も モバイル通信機器、的な語彙が用いられるのではないでしょうか。

The GPS receiving system receives a signal from the GPS and converts it into a coordinate entry. The coordinate entry is transmitted to the distributed network for retrieval of corresponding location specific information.
GPS受信システムは、GPSからの信号を受信して、座標エントリに変換する。 座標エントリは対応する位置固有の情報を取得するための分散型ネットワークに送信される。

座標エントリについては 経度、緯度情報、若しくはx、y、z値など 得られた位置情報の一つのまとまりとしてイメージしています。 位置情報の分散ネットワークに於ける入力値となると言う寸法です。

The location specific information may reside on a web page. The coordinate entry may be incorporated into the web page address that supports the coordinate entry or linked to an existing web page associated with the coordinate entry. The web page and associated information is displayed.
位置固有の情報はWebページ上に配置されている。 座標エントリは、それをサポートしているか、 それに関連付けられた既存のWebページにリンクされている、 Webページのアドレスに組み込まれる。 しかるにWebページと関連情報が表示されることになる。

此処が訳が微妙な処なのですが、 即位して得られた座標とWebページ及びメタ情報を連携させる、 と大意を取りました。 訳の問題点等ご指摘いただければ助かります。

Bar code labels, infrared beacons and other labeling systems may also be used in the location information system in place of or in addition to the GPS receiving system to supply location identification information.
バーコードラベル、赤外線ビーコンなど他のラベリングシステムは、 場所の識別情報を提供するGPS受信システムに代わり、 若しくは付加して位置情報システムで使用することもできる。

当初から、というより、当時だからこそ GPS受信機のみならず代替手段も考慮しているのでしょうか、 孰れ位置情報の取得手段の拡張に繋がるものとなり得ます。

以上、再取得された特許について見て見ると CNET Japan記事のタイトルにも指摘されるように実に広範囲に影響の及ぶ内容のようです。 測位した情報をメタ情報と連携させて利用者にWebページとして提供する… こう見ていくとまるで位置情報システムを定義しているかの感があります。 位置情報サービスを提供するシステム総てを包含するとも取れます。

これが特許となり使用に際してはアップル社のライセンスが必要となると 他社に取っては位置情報サービスの提供に大きな障害となり得ます。 ここがCNET Japan記事でも

この特許は非常に基本的なものを対象とするため、回避するのは難しいだろう。 ほぼすべての位置情報システムは本質的に、 特定の場所の位置を送信し、その引き換えに情報を受信する必要がある。
の如く懸念を示すところなのでしょう。

願わくば位置情報サービスにより多くの方が便宜を図られるべく、 提供者の競争も含め健全な位置情報サービスの発展がなされて欲しいものです。

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「アップル社が再取得した位置情報サービス関連特許の影響力」への1件のフィードバック

  1. Googleマップの対抗勢力として成長するオープンストリートマップ

    2005年登場時には非常なインパクトをIT業界のみならず一般にも与えたGoogleマップは2012年の今尚オンライン地図サービスとして唯一無二の存在ととして在り続けているかに思えます。その衝撃は本ブログにも2012年1月17日に記事Googleマップの登場とGISとしてお伝えしました。

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