企業体拡大の是か非か

書肆にてその書名を拝見すれば なぜ会社は大きくすると潰れるのか とあるを天の邪鬼にも、然れば当ブログ2008年9月1日の 挙式ビジネスから大リーグまで で書評は 勝ち組ビジネスパースンの統計学 に登場の トヨタマクドナルドセブンイレブン も存在するまいと、高を括って拝見するに、 今となって思えばと己の分を見誤れるを充分理解し乍、 更に今もたらればの悔恨の念に思い悩まされるはなかなかに身につまされる思いがします。

作中にも記される如く、往々にして経験者とは申せ 上梓されるは成功の経験、成功譚が大勢を占め、 失敗譚もあれども管見に著者の充分に立ち直っての後、 若しくは失敗者に代わりて代理の者の記す処なれば、 其れなりの資本金を有す企業体を破産せしめるも生々しい、 無念の色も濃き、臍を噛み締める時期に著述、出版の為されたことが本書の価値に思います。
スポンサーリンク
当初は著者とは旧知の仲、作中にも登場の学生時代からの友人である人物が代表を務める 明日香出版より出版のなされたとのこと、 事情を詳細に知る者の編集に関わった当該社の 新刊案内 より以下目次を引用させていただけば、 目次よりも其の不本意、心残り、未練の感じられ、 歯軋りの聞こえてくるかの如き構成になっています。
第1章  会社を大きくするということ
  ■ NHK『クローズアップ現代』などで破産企業の代表として放映される
  ■ 北海道の経済の現実 
  ■ 人は「何もかもたくぎん破たんのせい」というが
  ■「NHKはたくぎん破たんと北海道経済をどうむすびつけるのか」
  ■ 建設業における「本社」と「本店」の意味
  ■ 一度の取材でNHKに3度登場
  ■ 反響の大きさにおののく

第2章  会社の上り坂、下り坂、まさか坂
  ■ 田中管工株式会社・上り坂のころ
  ■ 設備業というもの
  ■「拡張と内部保留」のバランスをどうとるか
  ■ 成功した「札幌進出」で「内部留保」蓄積に失敗
  ■「まさか坂」の放火
  ■「息子の入社は中小企業の担保だ」
  ■ 跡を継いだ息子は「やりすぎ」でちょうどいい
  ■「社長の思い、子に通じず」
  ■ 会社が傾くとともに、親子間にもスキマ風
  ■ 経営者は会社に命をかける

第3章  どんな経営も時の流れには勝てない
(1)いつの時代も経営は政治に左右させられる
  ■ 二〇〇一年度予算が「行政不況」のひきがねか
  ■「営業活動・談合が変わった」
  ■ あるべき取締役会とは
  ■ 経営者の資質(経営者能力=competency)
  ■ 取締役の資格
  ■ 提案のない役員会に意義はあるのか
  ■「全会一致の幻想」から目覚めよ
  ■ 活路を求めて「東京営業所拡充」へ
(2)「まさか坂」の次にまたまた「まさか坂」税務署の来襲

第4章  リストラの日々  手をうったこと
(1)解雇に入る
  ■ さらに大幅なスリム化に着手
  ■「社員25%カットではなく、75%カットをやるべきだった」かも
  ■ 東京支店担当で「うつ」に
  ■ 銀行とのかけひきで、財務と営業が対立
  ■ 「息子を会社に入れるんでなかった」
(2)組織・人事・管理職
  ■ 軌道修正には「内部留保」が不可欠
  ■ 金喰い虫の「社内IT」投資
  ■ 人を見ることの難しさ
  ■ 工事部門の責任者を任せてみたが
  ■ 現場に必要なのは『浪花節』経営だ
  ■ 最後は、人間性の問題だ
(3)「日米年次改革要望書」出身の法規制乱発
  ■「息子の心はすでに沖縄にあった」

第5章  自己破産へ  どうなる!  どうする!
(1)破局前のドタバタ、ジタバタ
  ■「専務が役員会で暴れるらしい」
  ■ 息子と部長は「自己破産」を検討
(2)破産を決断した日
  ■ 破産にするにも一千万円かかる!
  ■「身内への借金返済も法にふれる」
  ■ 銀行にも社員にも取引先にも内密で準備
  ■ 倒産宣言の臨時役員会であわてる役員
  ■ 給与2か月分振りこんでから全員に「解雇通告」

第6章  破産するとどうなるか
(1)新聞に報道され、温泉へ避難
  ■ 破産手続開始申立て
  ■ 札幌地裁で審尋(しんじん)を受ける
  ■ 破産申立弁護人と破産管財人
(2)社員の再就職と社員の気持『でも、いい会社でしたね』
  ■ 破産後の鬱々(うつうつ)たる日々をいかに過ごすべきか
  ■ 破産して知る、「商売の恐ろしさ」
  ■ 妻に申し訳ない。その妻に救われている
(3)否認対象行為  資金繰りのためにお金を貸してくれた姉への返済を否認される
  ■ 否認された全額(二九○○万円)は和解で一二○万円ですんだ
(4)債権者会議
  ■ 自己破産をして困ること

第7章  再出発
(1)父と子の再出発、息子は沖縄へ
(2)「失敗学」としてのまとめ

おわりに

作中には業界の50年説の説かれ、 戦後日本の復興と時を同じく勃興、 日本列島改造論を受け、バブルに頂点を極めた後の、 2000年こそ正しく建設業界の断末魔を上げし年とあり、 扠、後を受けたIT業界の方々は何を思われるでしょうか。
スポンサーリンク