「続きはウェブで」に感じられるパラダイムシフト

衰えたとは云えまだまだ巨大な情報影響力を持つテレビ業界、 此の業界の大方の収益を支えるコマーシャルで近年屡見られる様になったのが 「続きはウェブで」の惹句の、狙いはカウチポテト族に向けたザッピング、クロスメディア戦略なのか、 効果の程はどれほどなるか、定量的分析には未だお目に掛ったことがないのが残念乍、 他に方法の見当たらない為かは知らず、手法は未だ停滞する処か、益々増えている様にも思えます。

CNET Japanの鳴海淳義に依る2008年7月17日の記事 「続きはウェブで」をより確実に--ヤフーと電通が新たな検索広告サービス開発 及びWeb担当者Forumの神野恵美氏に依る2008年7月17日の記事 ヤフーと電通がクロスメディア型の新広告サービス「Spot&Search」を開発 に依れば電通及びヤフージャパンの共同開発に依るのが2008年7月17日に発表された 「続きはウェブで」の周知効果を更に確実たらしめんと目論む、 テレビCMと検索結果連動型バナー広告を一体化した広告サービス「Spot&Search」にて、 ヤフージャパンでCM指定のキーワードを検索した場合のみ、 最上部に広告主任意のムービー抔が表示される仕組みとやら、 残念乍、胸の躍る思いのする新概念、と云う訳ではないようです。

「続きはウェブで」と高らかに謡い乍、其の実検索して見れば、 思い通りにコントロールの利かぬことこそに価値のある検索結果の其の為に、 広告主にテレビCMの如き時間の指定、チャンネルの指定をすれば目に見える結果を提示するもならず、 ならば最上部に強引に挿入してしまおうとは、 検索エンジンを提供する業者に取っては命取りとも成り兼ねない選択に思えます。 オーバーチュアでは今年になって、従来の入札金額による広告のリスティング順位が、 クリック率抔、広告と云えども人気度と表現されるべきか、 情報価値を持たぬは上位表示を許すまじなる改訂が実施された、 其の概念に反する様にも思えます。 検索エンジンに取っては短期的カンフル剤には成り得ても、 長期的にはデメリットの多く齎されるかに思える此の手法は、 故に広告代理店側、電通の強い要請に実現にしたのではとも思えてしまいます。
広告代理店の雄たる電通が、高額な報酬をSEO業者に払えども、払えども、 従来の様には顧客である広告主に説明の利く結果を示すことが出来ぬのは、 広範に知らしめたことにより、ネット特有のノイズを集めせしめたかにしても、 其れこそがネットのネットたる所以、其処にこそ存ず価値であり、 然れども従来の形態を良しとする同社が、業を煮やして 役に立たぬSEO業者、如何にもならぬネットの仕組みを飛び越す 本サービスをローンチさせたのではと、穿って見れば見えてしまいます。
然るに此処にこそ当ブログ2008年7月8日のアーティクルでも管見にて少しく考察した インターネットと既存メディアの関係についての少考 の如き状況、パラダイムシフトの狭間、端境期に、 舵を取りきれない巨大戦艦、老大国の藻掻き煩悶する様が見られると云えば云い過ぎでしょうか。

又極めて俗に落とし卑近な見方をすれば、 自らも利用するにしても他に見積もられるターゲットユーザーとしては、 煩雑な作業を避けた上で、金銭にものを云わせ手っ取り早く見せられる画面で 疎い経営陣の応諾を取り付けたい企業及び広告代理店のマーケティング担当者が疑い無く想定され、 そして其れは彼等に対して或る程度の成功を収めることが予想され、 此の意味からも電通とヤフージャパンの戦術は功を奏するとは思いますが、 戦略的にパラダイムシフトに棹差すものとは如何にも思えません。

上手くパラダイムシフトに乗らねば凋落は免れ得ぬ電通と、 日本では未だ安泰な検索ユーザーを有するとは云え、 本家を見れば此方も安閑とはしていられぬヤフージャパンとのコラボレーションの、 是非は時の流れに委ねられる外あらずして、 多少の注意を以て当サービスの経過を見たく考えます。
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