TechWaveに見るブログメディアの可能性とコミュニティ(後編)

この記事は2012年2月1日の記事 TechWaveに見るブログメディアの可能性とコミュニティ(前編) の続き、後編になります。

前編ではブログメディアとしてのTechWaveについて ブログをビジネスに活かそうとする者にとっては 非常に示唆深い事象が読み取れると本ブログ運営者の視点からの稿を起こしました。 其処に非常に重要な指標として黒字達成率を取り上げました。 この指標が重要性を失う時にTechWaveには大きな転換点が訪れたのでした。

プロブロガー目指すのやめました

TechWave開設当初から重要な位置付けを与えられ その数値を毎月欠かさず報告されていた黒字達成率が 或る時突然伝える際の気迫が感じられなくなる、 所謂テンションの下がった記事が見られました。 それは2010年11月3日の記事…

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プロブロガー目指すのやめました。10月の黒字達成率41.4% に明々白々に顕れています。

この記事に於いて活動の方針が当初の目論見から外れたことが 主軸運営者湯川氏自らの口から赤裸々に語られます。 この記事こそ前編の記事冒頭にリンクした 2012年1月15日の今後の方向性に関する記事 と併せ読むととても興味深い事象が浮かび上がって来る記事なのです。

兎も角も先ずは引き続き黒字達成率をキーワードに記事を追ってみましょう。 PV及び広告収入主体の方針に於いては意気消沈とも言える2010年12月2日の記事 11月黒字達成率は56.48%、増田さんが副編集長に【湯川】 が投稿されています。 この月には黒字達成率とセットでタイトルに含まれていた 目指せ!プロブロガー と言う文句は使われていません。

翌月の報告をなす2011年1月8日の記事 12月の黒字達成率53.88%【湯川】 でもプロブロガーと言うPV主体のコンセプトの希薄化が窺えます。 そして2011年2月6日 目指せ!プロブロガー 1月の業務報告 にはプロブロガーの復活、と気持ちの動揺が見え隠れするようです。 しかしこの記事内では明確に 業務報告の形を変え、PVや広告収入をベースにした 黒字達成率を前面に押し出すことを停止する旨、宣言している点に注意が必要です。

次月、2011年3月17日の記事 2月の業務報告とFacebook insightの活用【本田】 からは本田氏が担当する旨、告げられ 黒字達成率報告の系統を引き継ぐものとして 業務報告 の形を取り始めます。 しかしまた、その次回、 遂には更新をさぼったと自ら言及したのが2011年05月14日の記事 3・4月の業務報告とFacebookページの希薄化【本田】 で、これ以降業務報告の体裁を取った記事は見付けることが出来ませんでした。

自己分析と方針の限界露呈

自ら運営するブログメディアを分析したのは正しく2010年11月3日の記事でした。 この内容を注意深く追って行くと実に様々な教訓が得られるものと考えます。

先ず一つ目はGoogleから配信される広告と 純広告、即ちTechWaveを指名して入る広告の利益率の差です。 純広の方が利益率が高いためこの有無によって月の売上が左右されます。 Googleから配信される広告についてはこれを補完するものと考えればいいでしょう。 ブログメディアに於いて主力を成す広告収入について疎かには出来ない様子が覗えます。

そして自ら重要と語られるのがPV、即ちページビューです。 TechWaveが読者に見られたページ数ですね。 テレビ局に取っての視聴率に相当すると考えれば分かり易いでしょうか。 この数字に依って純広告獲得数もGoogle配信広告の成果も変わってくる確かに重要な数値です。

非常に貴重なPVに関するデータが此処に披瀝されます。 それはざっくり言えばIT系ブログメディアに取って 月当たりのPV数は100万が限界ではないかと考えられることです。 此処に於いてターゲット読者はテクノロジービジネス情報を求めている ウェブ業界や一般ビジネスマンであり、 その方達を想定して記事は織られていると考えていいでしょう。 旧ライブドアの知名度と湯川氏とそのお仲間の努力を以てすれば ほぼ日本でも最も高いPV数を獲得出来るであろうと考えられる ブログメディアTechWaveの上限PV数が100万と想定出来るのです。

そして次にアクセス解析を用いて初めて得られる実に貴重なデータが公開されます。 先ずTechWaveの月間ユニークユーザーは45万人ほどであること、 そしてそれらの読者はガジェット記事目当ての一見さん、 詰まりリピーターとは成り得ない方がほとんどであることです。 ではその中にリピーター、コアユーザーはどれほど存在するのか? 次にそのデータが示されます。 テクノロジービジネス情報を求めるリテラシーの高い読者は 日本には数千人から1万人ほどに限られ、ほぼ首都圏在住であること、 がTechWaveのデータを解析した上で得られたと断言しておられます。 此処が実に重要な部分です。

限界と同時に見えた新たな展開

得られたデータからTechWaveユーザーの内、 コアユーザーが約2%であり首都圏在住の数千人から1万人と見ることが出来ます。 このコアユーザーはTechWaveが何か仕掛ければ反応を示してくれる方達と見ることも出来ます。 換言すればこの方達は実に得難い優良顧客でもある訳です。

TechWaveの一連の記事に於いてはプロブロガーを目指すのを止めた宣言のなされた しかしこの同時期に周辺事業として幾つか展開していた内の一つ TechWave塾の好スパイラルが生じ始めた様子が覗えます。 止めた宣言記事中に使われている注目すべき語彙が プレミアム事業 です。 これはWeb業界では最早定番と言えるマネタイズモデル フリーミアム を踏まえた言葉ですが思い切って高額に設定された少人数制の勉強会やイベントを言い表すに これ程的を射た言葉もないでしょう。

記事にはTechWaveコアユーザーとTechWave塾生を直接結び付ける言及はありませんが、 この両者はかなりと部分重なり合うと考えるのが自然でしょう。 そして此れ等の方々は自然と互いに連携する形態と取り始め、 TechWaveではこれを称してコミュニティとしています。

必要とされるコミュニティに必要とされるサービスを相当価で提供する、 これをTechWave塾に代表されるプレミアム事業と称し もとはPV広告収益モデルで考えていたブログメディアと 補完しあいながら収益事業として発展運営していく、 これが現在のTechWaveの事業形態と考えられます。

いみじくも2011年1月8日の12月の報告記事に於いて アクセス稼ぎに要していた労力の一部をプレミアム事業に転換したこと、 立ち上げから一年を経て自らのすべきことが可視化されたこと、 を訴えられています。

TechWaveは何故現事業形態を取り得たか

TechWave開始時に於いて立てられた 当初の仮説の内一つの長期間に渡るブログの運営は黒字化する、というものは置いて、 もう一つの仮説、プロブロガーは成立する、というものは棄却されました。 しかし新たに見出した事業形態に活き活きと取り組んでいる様子が覗えます。 どのようにこの新規事業形態は発見され得たのでしょうか?

一つには仮説立証の為に当初PV獲得に奔走したことがあります。 これは主に広告収入を得る為の手法でしたが図らずも貴重なデータの取得に与って力がありました。 そしてその中には勿論新規事業のコミュニティに参加される筈の 事業として営むに充分なボリュームのコアユーザーが含まれていました。

次にデータ分析があります。 得られた貴重なデータからコアユーザーとそのボリューム、性質を発見することが データ分析を通して初めて可能になります。

この両者事由とそれ迄試行錯誤を重ねていた周辺事業が 上手く絡み合った処に新規事業が検出されたのだと考えます。 考えて見ればこれは吾人に於いてもWebサイト運営の基本的な姿勢と言えます。 Webサイト運営の王道とも言える PDCAサイクル の実施された処に新規事業は発見され得たのでしょう。

ブログメディアたらんとしてこのような経緯を取ったTechWaveの この事案を受けてブログをビジネスに活かす手法が見えて来ます。 それには先ず自らの運営するブログのPVを上限と思われるまで上げることが必要です。 この際必ずデータを怠り無く採取するように努めます。 この時取得するデータは仮説に基づいた指標であることが必要です。 そして採取したデータを分析、現実と照らし合わせ仮説の検証をします。 此処に於いて何某かの事実が見えて来る筈です。 これがブログをビジネスに活かす有力な手法の一つとして好いかと考えます。

望まれる貴重なデータ提供

惜しむらくは業務報告の内容を持つ記事が新規に投稿されなくなってしまったことです。 業務報告をするのは新しいメディアを立ち上げようと考える者、 特に一部の従来型メディア企業の経営難を受けて 独立を考えている人に取り参考になるようにという高邁な理念を抱かれてのことですが、 参考になるのはそれらの人ばかりではありません。 凡そブログをビジネスに活かしたいと考える者に取って 実数を伴った実践の資料が参考にならない筈がありまえせん。

勿論少人数制勉強会TechWave塾のレポートは コミュニティとブログメディアとの関係を考える上で実に役立ちますし これからも記事にレポートはなされて行くでしょう。 しかし出来得れば再び黒字達成率やPVの様な実数をともなった 業務報告は是非とも公開のなされて欲しい処です。 また今回は取り上げませんでしたがTechWaveの黒字達成率、 業務報告系の記事では度々言及されるブログの継続に対する有効性があります。 長くやればやるほど検索エンジンやソーシャルメディアからの流入は着実に積み上がり有利である旨、 既定のことという程の勢いで、併せて 短期的な黒字化は難しいが長期間に渡り継続すれば確実に黒字化するとも断言されています。 此れ等データが何某かの機会に吾人の知る処のものとなって欲しいと思っています。

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「TechWaveに見るブログメディアの可能性とコミュニティ(後編)」への2件のフィードバック

  1. ここまで外部のことを考察してるのってすごいと思いました。
    ほんと、すごいと思いました。
    考察しようと思った原動力ってなんだったんですか??

  2. ありがとうございます。
    ブログの可能性について考えるのは楽しいです。

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