Androidの内憂~ミログ社のapp.tv、AppLogSDKの停止

今年2011年スマートフォン元年に そのシェアを大きく伸ばしているGoogle社の基本ソフトウェア Android(アンドロイド) を利用したスマートフォンAndroid機ですが、 思わぬ伏兵に苦戦しそうなニュースが有ります。 それは milog(ミログ) 社のAndroid機向けに提供されているサービスが 利用者に不適切な動作をしているとネット上で話題になったことに端を発します。

いくつかの関連ニュースが以下のようにネット上に配信されています。

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どうやらミログ社のスマートフォンアプリ開発キットを 用いたソフトウェアが必要以上のAndroitスマートフォン端末利用者の情報を ミログ社に内密で送り届けているらしいと言う 以前よりくすぶっていた問題がかなりの蓋然性を以て断定され表面化したのです。 一般的にはこの様な利用者に無断で利用者の情報を第三者に送り届けるソフトウェアを スパイウェア と呼びマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一つとされています。

このスパイウェア機能に対して批判の集中する中、ミログ社の AppLogSDKサービス終了のお知らせ なるプレスリリースの昨日2011年10月26日に配信されたと言う状況です。

更に同社に対してはそれだけに留まらぬ問題が提起されているようです。 ミログ社のAppLogSDKの問題になった2011年10月5日の報を受けて2011年10月10日に 高木浩光@自宅の日記 には スパイウェア「app.tv」に係るミログ社の大嘘 という記事が投稿されました。 内容はかんり深刻なものでミログ社のapp.tvがスパイウェアではないとの認識を 痛烈に批判したものです。

ミログ社HP app.tv停止のお知らせスクリーンショット

同日にはミログ社により以下ニュースリリース app.tvサービス停止に関して が配信され、それを受けてInternet Watchがニュースにもしています。

その送られる情報はミログ社ニュースリリースに以下とされています。
  1. Android端末が保有している個体識別番号
  2. Android OSのバージョン
  3. ブランド名(メーカー名等)
  4. デバイス名
  5. Android端末製造者名
  6. 機種名
  7. 製品名
  8. サービスプロバイダー(通信キャリア)名
  9. 端末にインストールされているアプリケーション一覧
  10. 端末から取得できるアプリケーションの起動履歴一覧
Android機の固有端末が特定され、 インストールアプリから何がどれほど使われたかまで 知らぬ間に送られてしまいますから、 そうと知ったらかなり眉間に皺の寄る方も多いのではないでしょうか?

上記は実は常々Androidスマートフォン機が、アップル社の iPhoneと比較して弱点と指摘されている部分の露呈でもあります。 Androidの世界では基本的に誰が制作したソフトでも 簡単に流通させることが出来ます。 それに対しアップル社ではiPhoneのアプリを公式に流通させるにあたり審査を行い、 適切だと判断したものを認定、インストール可能とする方針です。 このサードパーティが提供するソフトウェアに対する姿勢は 任天堂のゲーム機と同じで或る種囲い込み、独占として 芳しくない評価もある一方で、今回のような問題を起こり難くしてもいます。 iPhoneを愛用される方にはこのAndroid機の問題を 少なからず重視される方も多い様で、 とすればAndroidの普及にも影響を与えざるを得ないでしょう。

スマートフォン元年として多くの方々が iPhoneは勿論、Android機を手にしていることを見掛けることも多くなって来ました。 スマートフォンは今迄の携帯電話(ガラケー、フィーチャーフォン)に比較して 卓上のコンピュータに近付いています。 それだけにウィルスや今回のスパイウェアに類するものには注意が必要になります。 提供するキャリア、メーカー側が最新の注意を以て世に出すことは勿論ですが、 それを受け入れるユーザー側もリテラシー、 受け入れても大丈夫なだけの知識や知恵を身につける必要があるようです。