VoIP(ボイップ) とはVoice over Internet Protocol(ボイス オーバー インターネット プロトコル) の略称でインターネット上で音声回線、即ち電話出来る約束事です。 このVoIP機能をスマートフォンに持たせるアプリが百花繚乱状態です。
Skype(スカイプ)は謂うに及ばず、本ブログにお伝えしただけでも
- ワウテックのスマホ用無料通話アプリ~WowTalk(ワウトーク)(2011年8月30日)
- iPod TouchをiPhoneにしてしまう050 plusアプリがAndroidにも(2011年10月1日)
- 位置情報サービス例~VISAとShopkick、ネイバーLINEとSB提携(2011年11月22日追記)
そんな激戦区に参戦して尚且つ支持を得ているアプリが…
OnSay でしょう。 発音すれば おんせい=音声 となる名前もなかなかに洒落ています。 ITmediaプロモバに於いて2011年8月31日の記事 Twitter仲間と無料で通話――電話番号不要のiPhone向けVoIPアプリ「OnSay」 で紹介され随分とネット上でも話題となりました。 特徴として此の手の無料通話アプリには必須のIDを考える必要がないことがあります。 何故ならTwitterのアカウントでそれを代用しているからです。 お互いの顔も知らなくてもTwitter上で気が合えば電話出来ることになりますから、 随分とTwitterのTLを賑わしました。
賑わすと同時に大いに普及もしたと言えるのは iPhone且つTwitterの利用者と言う制限の中でたったの三日間で 9万人の登録があったことを伝えてくれている同じく ITmediaプロモバに於いて2011年11月11日の記事 「電話番号、覚えなくなった」――3日で登録9万人、Twitter通話アプリ「OnSay」にみる通話の未来 で分かります。 開発した、孰れも日本国内のベンチャーである ライフツービッツ、ウタリ、プロジェクトゼロ、三社の インタビューも掲載された興味深い記事です。
そして11月11日の記事の末尾に項目立てられた 次の一手は、Android対応 を受けるかの様に同じくITmediaプロモバが本日2011年11月30日に配信したニュースに Twitter仲間と無料通話できる「OnSay」にAndroid版 があります。 予告通り、iPhoneを一方のスマートフォンの代表とすれば、 もう一方の代表たるAndroid版が遂に登場と相成りました。 記事内にはiPhone版が三日で9万ダウンロードを達成したにも関わらず、 11月末の時点で国内で10万人の利用者ということで少し伸び悩みの感が有りますが、 矢張り利用出来るユーザーに制限のある中でこれは立派な数字だと思います。 流行の尺度たるに10万人と言うのはちらほらと街中で散見する頻度だと言いますから 国内のみで10万人と言えば爆発的流行とは行きませんが、 相当普及に成功していると見て良いでしょう。 この状況を打破する為にもAndroid対応が必要だった筈です。 アプリが対応すればiPhoneとAndroidスマートフォン間の障壁を越えて 通話が出来るようになるのですね。
百花繚乱の感のあるVoIPアプリは繰り返しますが音声回線を インターネット上に実現しますから、 携帯キャリアの音声回線は使用しません。 これがどういうことを意味するかと言えば、 携帯キャリアは音声回線を提供するのではなく、 データ回線だけを提供していればいいことになります。 これを数字で顕しているのが本ブログ2011年11月9日の記事 携帯3社の2012年第2四半期決算に揃うARPUデータ に於ける内容、即ち、 音声ARPU (通話に関する料金:基本料と通話料)の止め処ない凋落と、 データARPU (通信に関する料金:基本料とパケット通信料)の増加です。 此処に示したデータは実はこのようなVoIPの状況を一つ要因としたものでもあったのです。