バージョンアップについて本ブログに記事として取り上げることも多いのは、ブラウザ Firefox(ファイアーフォックス) は本ブログ運営者も数台のPCに共にインストールし愛用するからこそです。
しかし2011年9月13日には記事 あまりに重いFirefox(ファイアーフォックス)の速度改善 で記したようにモバイル環境の非力なネットブックでは目に余る重さで当該環境では 立ち上げるのに億劫で使用頻度も下がっています。 またこの記事への検索エンジンからのアクセスの多さからも 世に余り良い印象は持たれているとは思えないのでした。 ネットブックXP機での使用の際のもたつきの非道さにはついつい我慢出来ずTwitter上で アーキテクチャ (設計思想、根本的な設計方針)に問題があるのではないか?とまで発言する始末、 バージョンアップのロードマップの適正さに欠ける印象も後押ししてのことですが、 確かに開発者間の求心力が失われているとしか思えなかったのです。
そのようなFirefoxブラウザに対する気持ちを抱いている中に目に留まったのが…
TechWave.jpの2011年12月4日の記事 Firefoxがピンチ シェア低下、人材流出、Google契約打ち切りで【湯川】 にて、読むなりさもありなんと首肯せざるを得なかったものです。
記事内に紹介リンクされる Desktop Top Browser Share Trend―December, 2009 to November, 2011 では2年で3%のシェア低下も誤差では済まぬ下落傾向が見て取れ、 即ちIEの大幅なシェア凋落を受ければChrome(クローム)の躍進を考慮に入れても Firefoxのそれは最低、微増であって然るべきだと思われるからです。 しかもなお、開発の中心人物の離脱が好い結果を齎すはずべくも有りません。 成程外部から迂闊に眺めていても感じられる通り矢張り、 Firefoxを取り巻く環境は由々しき事態にあったのでした。
記事には更にはとどめたるべきように、 Firefoxを運営する Mozilla(モジラ)財団 を全面的にバックアップしていたGoogleが、パートナー契約を11月で打ち切った旨言及されています。 詰まり資金的に行き詰ることが予想され、 そうとなってはFirefoxの開発もオープンソースとはいえ 現在の環境を維持出来ず孰れ問題が発生するであろう、 最悪開発の中止が懸念される事態であることは想像だに難くありません。
幸いなことにGoogleの件については ITmediaニュース2011年12月21日の記事 GoogleとMozilla、Firefoxでの検索契約を更新 に見られる如く杞憂に過ぎなかったようで、 今後三年間は経済的困窮を来たすことは無くなったようです。 しかし本記事には2010年にGoogleのMozilla財団への寄与は84%とされ、 TechWave.jpでは86%とされ、孰れ八割以上の財源となり、 穿った見方をすれば一社依存とも言い得るその供給元が検索ガリバーのGoogle社であることが、 ハッカーに依存するオープンソース開発陣の地盤を緩めているような気がしないでもありません。
TechWave.jp記事内で湯川氏が端無くも述べられるように オープンソースの代表的な産物Firefoxのこの凋落が何を示しているのかは IT業界に携わる者としても変化の激しい業界内にどのような兆しとして現れているのかが、 大いに気になる処です。 さてさる20日には 「Firefox 9」正式版公開、JavaScriptパフォーマンスが最大3割向上 とInternet Watch記事に告知されるように、 又もや短期間でメジャーバージョンのインクリメントされたFirefoxですが如何相成るでしょうか?