今やGoogleマップと言えば インターネットを利用するのにこれがあるからと言う人も時折見掛ける程の インターネットに取ってのキラーコンテンツとなりました。 以前のインターネット地図サービスと言えばもう少し北を見たい、東を見たいと言えば 矢印キーをクリックするなどしてもう一度ページが読み込まれるのを待つのが当たり前でしたが、 今ではその様なサービスを覚えている方の方が珍しくなってしまったでしょう、 それらサービスを過去のものとせしめ、 己の操作系、即ちページの再読み込みをいちいちすることもなく 地図の拡大縮小、ドラッグによる移動などを標準のものとした Google社の会心のヒットサービスです。
パソコンの様に立ち上げを何時迄も待つのではなく、其の場で起動する iPad で利用すれば地図帳を開くより早く地図を見られることが嬉しく 本ブログ運営者も愛用しているWebサービスの一つです。
そんな便利なGoogleマップについて インプレス社のInternet Watchに2011年10月28日付けで以下のニュースが配信されました。 Google Maps API有料化の詳細発表、該当ユーザーは2012年初めに強制課金開始 何やらGoogleマップに関しての有料化の話のようですが、 これからはGoogleマップを使うには料金が掛かってしまうのでしょうか? 気になる方へこの有料化に関して言えば…
一般の方は先ずは心配しなくてもいいでしょう。 いつもの様にインターネットに接続して住所で検索してGoogleマップで拡大縮小しつつ 行き先を特定する、などと言う使い方で料金が発生することは 2011年10月の現時点では基本的にはない筈です。 問題になるのはGoogleマップを利用したWebサービスを提供している業者なのですから。
Internet Watch記事にある様に Google社が課金しようとしているのは Google Maps APIの利用者に対してです。 APIとはエーピーアイと発音し Application Program Interface の略でプログラムを通してGoogleマップを操るためのルールのことです。 此処でもうプログラムなどはしないょという方は先ずは一安心ですね(笑)。 プログラムを通してGoogleマップを操ると恰も自分のWebサービス上に 地図のプログラムが用意してあるかの様に使うことが出来ます。 この様にインターネット上の余所のプログラムを利用して 自分独自のサービスを作ってしまうことをマッシュアップと言い 数年前から随分と流行っている手法です。 地図プログラムを作らなくても地図サービスが提供出来てしまう訳ですから 新しいWebサービスで地図が欠かせない者に取っては 実に有り難いGoogleマップだったのですが、 これからはそうはいかないですよ、と言う今回の Google社の意思表示なのです。
以上の様な訳でInternet Watchの記事は少し専門化向けの内容になっています。 一応要約すれば Google Maps APIの利用規約は今年2011年4月に改定されており、 10月1日から同APIの利用上限を定めることがGoogle社から発表されていました。 上限を超えると課金が発生するこの規約に関しては随時適用されていき、 そのことは30日前には通達されるそうです。 上限を越えた際の選択肢は以下の三つとされています。
- 利用上限を超えないように調整する。
- 超過分についてGoogleが定めた料率に従って利用料金を支払う。 この手続きは、Google APIコンソールからオプトインで行う方式となる。
- Google Maps API Premier Licenseを購入する。
実は本ブログ運営者も去年2010年々末、 Googleマップを利用したWebサービス提供を計画しており、 それはGoogleマイマップを利用したものを考えていましたので 本ブログにも以下の2記事をものしたりもしました。
- マイマップ@GoogleMaps:2010年11月26日記事
- Googleマイマップのセキュリティ:2010年12月1日記事
このいろいろ調べていた時期から暫くすると既にGoogle Map API課金の話が流れ始め、 本記事で取り上げた状態が大凡予想され、 その上で考えているサービス内容がInternet Watch記事末尾に有る 企業などで内部利用する場合や事業用に利用する場合、 ユーザーに課金する場合には、いずれにしてもPremier Licenseの購入が必要となる。 に抵触するものであり、費用を賄える程の需要が見込めなかったため諦めた経緯があります。 その際はGoogleマップの日本代理店であるゼンリン社が窓口となっていたと思いましたが、 今回Internet Watch記事ではGoogleに直接問い合わせるようになっているようですね。
Google社がインターネットサービスに於いて課金の方向に進んでいることは 最近の様々に流れる情報から確かな様です。 中でもGoogleマップは多くの人に直接利用されていると共に、 多くのWebサービスにも組み込まれていますから業界に少なからぬ影響が出るでしょう。 iPadを所有する人間には直接の課金はないと思いますが、 Googleマップを組み込むとなればiPadを提供するアップル社も課金の埒外には居られないことになるでしょう。 若しかしたらiPadを利用する吾人にもiPad価格に上乗せされると言うように、 間接的に料金が徴収されることも考えられます。
今回のGoogleマップに関しては恐らく一般の方が直接料金を払う必要に迫られることはないでしょうが、 しかし、若しかしたらインターネットサービスは無料、 と言う今や一般的とも言える認識は改められることを強いられることになるのかも知れません。
追記
(2018年6月27日)
何やら
大意まとめれば題目に有る通り、 Googleマップが7月16日より有償化されるに当たって、 無償提供には条件が有るので留意すべし、 と言うものですが、結論として安田氏が挙げている此の条件分岐を以下に引用しましょう。
- 通常のGoogleマップから[地図を埋め込む]でページに設置したマップ ―― そのままで問題なし
- グーグルの「Static Maps API」「Maps JavaScript API」「Maps Embed API」などを使って埋め込んでいたマップ ―― APIキー必須で新しい料金プランに
まるで七年程以前に本記事に配信した内容の焼き直しかの如き文言が並びますが、 詳細は勿論、料金体系も昔の儘にはありませんので、 当該記事を参照して対応したが宜しいでしょう。 但し、安田氏も強調されているのは、 例によって素人を突き放す様なGoogleの情報提供に抜けているポイントとして、以下引用する部分です。
Googleマップのサイト上で場所を表示して[地図を埋め込む]で取得したiframeによる地図埋め込みは、この変更の影響を受けない
矢張りデジャブが如き、以前と同様の条件が提示されています。 上記に加え有償のサービスにGoogleマップを利用しているなどの条件付加もありはしますが、 無償で情報提供していて通常の埋め込み方法を採っていれば、 先ずは慌てる必要もないと言うことでしょう。
但し、GDPRの影響などもあり、 無償が当たり前の様に受け取られて来たインターネットも、 全体として有償化の方向に向かいつつあるのは間違いありません。 今回のGoogleマップの措置は七年経ってなお、 猶予期間を伸ばしてくれた、とも取れる寛容な処置だと考えます。
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