様々なポイントサービスで提供されるポイントは通常は有効期限があります。 発行したポイントは提供側にとって会計的には曖昧模糊とした存在で 売上値引であったり、販促費で処理したりするのですが、 引当金を計上し長期的な負債とすることは避けたいからでしょう。 しかしこれを恒久的に継続提供するとしたカードがありました。 株式会社クレディセゾン の運営する セゾンカード の 永久不滅ポイント です。 そしてセゾンカードの象徴的サービスであるこのポイントが 2~20倍獲得出来るとした触れ込みでカード会員向けで業界初のオンラインショッピングモールとして 2006年10月に開設されたのが 永久不滅.com でした。
このクレディセゾンの運営する永久不滅.comは当初 セゾンカード会員に限ったサービスを提供していたのですが…
去年2010年9月1日にサービスの利用可能者を拡充しました。 その際の仕掛け人 クレディセゾン社の取締役ネット事業部長 覚正純司氏への岩田昭男氏に依るインタビューが キャッシュは使うな!必ず得するカード選び~クレジットカード&電子マネー活用術(JMOOK) に掲載されています。 発行日が2010年11月8日と既に一年以上が経過していますが、 当時カード会員に限られていた永久不滅.comの提供サービスが
- ネット会員の拡充
- 新たな収益の拡大
インタビューにには永久不滅.comの成立経緯に先ずは触れられており、 現在当該サイトを訪れれば切り替えバナーの一つとして5周年記念キャンペーンが表示されるように かなりの年月が経つことで軽くという程度に留められてはいますが、 中にもオンラインショッピングモールとして後発ながら カード会員向けにサイトを立ち上げた賞賛はセゾンカードの会員に於いて 女性の占める割合が7割あったことを事由としていることです。 オンラインと言えども女性顧客の存在の重さの実務家としての認識が其処には表れています。
サイト改定要素は先ず当時の改定に拠って、 永久不滅ポイントを利用出来たセゾンカード、UCカードを持っていなくとも 16歳以上であればネット会員になるだけで永久不滅ポイントが利用出来るようになったこと、 これが又主目的として一番に挙げられます。 これは上に記した収益拡大の為には必須でしたでしょう。 カード会員に限っていてはオンラインショッピングモールの取扱高は如何しても上限が決まってしまうからです。 目標として岩田氏は当時の2009年度実績を2012年度には 以下表の如くしたいと述べられています。
2009年度 (実績) | 2012年度 | |
---|---|---|
ネット会員数 | 426万人 | 1000万人 |
取扱高 | 270億円 | 1200億円 |
貢献利益 | 12億円 | 70億円 |
次に其れ迄ばらばらに運営されていた
- 永久不滅リサーチ
- 永久不滅オークション
- 永久不滅コンテンツ
貯まったポイントは使うためにある訳で、 カード会員ならば
- 300以上あるアイテムとの交換
- カードショッピングの支払いへの直接充当
- Amazonギフト券
- Web Money
これらの資料はまた2010年度9月1日付株式会社クレディセゾン公式ニュースリリースPDFファイル ~カード業界初!カード会員限定モールを開放~ 9 月 1 日、「永久不滅.com(ドットコム)」は、16 歳以上であれば誰でも「永久不滅ポイント」が “貯まる”・“使える”ポイントサイトに生まれ変わります! にも掲載されています。 興味のある方はご参照下さい。
さてその後の経緯はどうなったか、気になる処ですね。 株式会社クレディセゾンの2011年5月17日付 2010年度決算説明会資料 にそれが覗えるデータを読み取れます。
スライド32頁「既存事業育成」と「新規事業開発」によるフィービジネスの拡大項目の 2011年度目標にその数字が記されていますので、上の表に付加してみましょう。2009年度 (実績) | 2010年度 (実績) | 2011年度 | 2012年度 | |
---|---|---|---|---|
ネット会員数 | 426万人 | 557万人 | 800万人 | 1000万人 |
取扱高 | 270億円 | 365億年 | 440億円 | 1200億円 |
貢献利益 | 12億円 | 16億円 | 27億円 | 70億円 |
順調に伸びてはいますが、 目標達成のためには更に一段の努力が必要となるのは確かでしょう。 一層の努力の範疇か否かは知れず、そして現在2011年11月2日に ネットニュースとして配信された
- ヤフーとクレディセゾンが提携、「永久不滅ポイント」から「Yahoo!ポイント」への自動交換が可能に:Markezine
- Yahoo! JAPANとクレディセゾンが提携し、ネットとリアルの相互利用を促進:payment navi というネット界の雄Yahooとの提携を見れば、 インタビューに於いて言及された提携の拡張が図られていることが分かるのです。
追記:2011年11月18日
記事内で紹介した
永久不滅コンテンツ
が2012年1月31日を以て終了する旨、
永久不滅.comから2011年10月14日に発表されました。
その際のニュースが矢張りサービスの名称とその終了とのミスマッチから
面白可笑しく取り上げられており、その一例として
はてなブックマークニュースの2011年10月24日付け記事
永久不滅”なのに終了? クレディセゾン「永久不滅コンテンツ」に「シュール」の声
にリンクを貼っておきます。
少々問題に思われるのははてブニュースに於いてはスクリーンショットの画像が
「永久不滅コンテンツ」サービス終了のお知らせ
となっているのに対し現状プレスリリース頁を参照すると
「音楽・動画などで貯める」サービス終了のお知らせ
と変更せられていることです。
このような状況を呈せば、この組織では少しでも外部から圧力があると
問題部分を糊塗して隠蔽する性質を持つと思われかねないのではないでしょうか。
余り褒められた対応ではないような気がします。
株式会社インデックスの運営するポイントサイト~ポイントオン
代表的なサービスを幾つかGポイント(2011年8月30日)Tポイント(2011年10月13日)永久不滅ポイント(2011年11月16日)と本ブログでも紹介した様に、ネット上には多くのポイントサイトが存在し、その中の一つにポイントオンがあります。このポイントサイトを運営していたのは