ノートPC電源的アプローチGoogleサーバー

オープンの雰囲気を漂わせ乍、 なかなかに其の内実を垣間見せることも無きGoogleの、 運用サーバーについて、其の特徴的なるがモジュール毎に電源を備えることにあるとは、 CNET Japanに2009年4月5日に掲載されたはStephen Shankland氏(CNET News.com)の文責にて、 翻訳校正は川村インターナショナルなる記事 グーグル、自社設計のサーバを初公開--データセンターに見る効率化へのこだわり により得られる知見です。

Googleのサーバーと聴けば伝説の、 当ブログ2008年3月22日アーティクル 未踏シリコンバレーツアー2008 にも取り上げた古川氏ブログのシリコンバレーでの一日なる2008年3月18日の記事 にはGoogle社内を逍遥しつつある処、
眼に飛び込んできた、サーバーラックがグーグルが初めてインターネット上で検索サービスを提供した自作のサーバー...現代の1Uに収まるブレードサーバーなど無い時代なので、パソコンのマザーボードの下にコルク版を張ってショートしないように高密度実装、ボードの隙間にねじ止めもしていないハードディスクがゴロリと基盤の上に転がってラックに挿入されているものだから、マザーボードが全て反り返って凹んで見えるという実装方法...学生さんや個人が実験として使うには良いにしてもIT企業のマシンルームであれば、あり得ないって話であります。ところが、その日の夕方コンピュータ・ヒストリカル・ミュージアムへ行ってみれば、グーグルから寄贈されたこのサーバーのラック1本分が、ENIAC、IBM System360、VAX11/780やCray 1に混じって「歴史を創ったコンピュータの1台」として、ちゃんと展示されていたのに驚きでありました。
と語られる脇にはコンピュータ・ヒストリカル・ミュージアムでの氏撮影の件の物件の写真も掲載され居りますれば、 興味ある方はご参照の程を。
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紹介記事にて今回明らかにされたる中にも特筆すべきは、
サーバ1台1台が、それぞれ12Vのバッテリを備えていて、メイン電源に問題がある場合には電力を供給することだ。Googleはまた、2005年以来、同社のデータセンターが標準規格の運送用コンテナで構成されていることを初めて明らかにした。
かに思われるのは、サーバー関係の仕事に従事されるであろう参加者の多くも同様の様にて、 通常緊急時の補助用電源と聴けば、脳裏に髣髴たるはUPS(無停電電源装置)のみが次第なるは、 何も個人の机上許りならずとも大仰なデータセンターでも其れは同じくあり、 此れを仮に デスクトップPC電源的アプローチ と此処に命名せば、 己の所有物乍、ノートPCの蓄電池を其の一部に含有するは如何にも便利なものよと常に感じるも、 此れをサーバーに延いてはデータセンターに敷衍するは思いも因らぬ、 本アーティクルタイトルにも用いた ノートPC電源的アプローチ とも云える発想の転換は、此れ即ち費用削減の為とて言及される、 更にはマンハッタン計画と迄称されれば、Googleでは極秘のプロジェクトであったのだろうと思われます。

Googleが如きクラウドコンピューティングの担い手として、 巨大サーバー群を運営する組織体が斯うしたアプローチを採用すれば、 営利企業体としては当然のコストカット、 又古川氏ブログに紹介される初期のサーバー運用の方針からすれば、 自然であり適用の必須な、必要欠くべからざる措置であったろうと推察されますが、 其れは唯に一私企業の費用削減に留まらずして、 異常な迄の効率向上への拘りに因り齎される多大な使用エネルギーの低減は、 環境へ与える影響も小さく無いことが予想されます。

記事中には
Googleは、内蔵バッテリの設計に関する特許を保有しているが、Hoelzle氏は「ベンダーに喜んでそれらのライセンスを供与するつもりだ」としている。
とされており、実際社会インフラとして欠かせぬものとなりつつある、 データセンター等に於けるサーバー技術にて此れが広く採用され、 公開技術に依る社会的貢献がなされ、様々な面に好影響を齎してくれることを強く望み度思います。