WEB製作サイドの交渉テクニック

どの様な業務でも業務遂行上、困難を伴うことは当然ですが、 WEBサイト制作を生業としていると、曰く困難と云うより、 一種、キツネに抓まれた思いをすることが屡ある様です。

Web担当者Forumの有限会社アズモードの宮脇睦氏によるコラム Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得 に於ける2008年7月23日の記事 見積もりが高いといわれたら。Noという交渉術 にはWEBサイトと云う成果物に対する不可解な客の振る舞いが幾つか挙げられており、 抽出した上で引用させていただくと、下記の如くなるかと思います。
  1. 納品のときに話が変わっていることは多々あります。
  2. 社長はどこかの「セミナー」で仕入れたSEOのご高説を垂れます。
  3. 今度もタダでの変更依頼です。
  4. ファクシミリで見積もりを送ると折り返し電話があり「高すぎる」と語気を荒げます。ちょこちょこっと直すだけでこの値段はないと興奮しています。
3.抔は字面を見ただけでは事の真偽を勘繰りたくなるを通り越して噴飯物ですが、 身の回りを思い起こしてみれば、愈々普通の光景であり、 改めて然う思い直し、スーパーマーケットのレジ抔に置き換えて見れば、 極めて異様な客に映れども、WEB制作業界では屡見聞きする光景に違いありません。
一昔若しくは一昔と半以前、其の黎明期に於いては、 HTMLでコーディングをするだけで篦棒な請求が可能であった時代の反動でしょうか、 商売になると踏んだ、多くの新規参入組がダンピングを重ねた結果のアタリショックの再現でしょうか、 孰れにせよ、WEBデザイン、HTMLコーディングの手間賃の暴落は事実にて、 上記の引用で用いられるセンテンス 「今度もタダ」、「ちょこちょこっと直すだけ」 にも不当とも思われる扱いの軽さが窺われ、 此れ等、当方を侮る生兵法の客に、 又加えて、若いWEB業界には営業サイドにも略、商品知識がないことも頗る付きで多く見受けられ、 半ばブローカーした営業が仕事欲しさに客の言い分を丸呑みの上、製作者に丸投げと云う形態も、 状況の悪化に拍車を掛けるかに思います。
例えば、大工の棟梁に家屋へ一日修繕を施して貰ったら、 帽子の高さも極まった料理人に晩餐を一日掛りで用意して貰えば、 庭師の親方に植木を一日手入れして貰ったら、 其の手間賃は決して廉価なものでは無い筈です。

WEB制作屋に取っては広く一般的と思える状況に対し、 宮脇氏の挙げられる対策が下記引用になります。
交渉結果が必ずしも望むものになるとは限りませんが、「No」により決裂したとしてもそれが最善であれば問題ありません。そして意外に思うかも知れませんが「No」といってまとまる話も多く、「できないこと」を明示する姿勢は高く評価されます。
客に対し「No」と云い切るが、なかなかに困難なことは、 一般の賛同を多く得られるは容易に想像の付けど、 当ブログの2008年7月29日のアーティクル プログラミングファースト開発のアキレス腱に見る技術者格差 での小飼弾氏とドナテッロの当該交渉法の顛末を拝見すれば、 実践の価値は充分あり、然ればWEB製作者たる吾人は、 以下引用を心して交渉に臨む必要がある様です。
交渉には「No」と「決裂」というカードがあります。
当紹介記事に於いて、氏の客との遣り取りのシーンには、 多くのWEB製作サイドの現場で奮闘努力する方々の溜飲が下がるのではないでしょうか。 下げた溜飲の変わりに持ち上げた勇気を振り絞り、以て交渉に席に着かれれば、 塵も積もれば山となるの例えの如し、此の不条理な状況を現出す混沌も孰れ、 落ち着くべくに落ち着き、職人としての不当に廉価な手間賃の是正も図られるものと考えます。
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