ゴミ箱は漁られるべきものなれば

世界最大ファーストフードチェーンの親玉がゴミ箱を漁るを推奨すれば、 追随すエピゴーネンの大手企業の経営者も此れを称揚し、 新規出店となればマーケティングとしてまたゴミ箱を漁るが ノンフィクション番組として特集を組まれ、 リサイクルとてゴミ箱に宝有り、 となればお宝鑑定団に感化さる連中も遂に、 と云った具合に、 IT業界に於けるガベージコレクションにあらぬ、 リアルさえ兎角ゴミ箱なるは現代に於いて漁られるものとの蓋然性も高く定まれば、 日々暮らすに於いても迂闊にものの捨てられぬとて、 困惑の方も多いと推測されるのは、 経営コンサルタントの石原明氏のブログの2008年11月21日の記事 発想転換の勝利!? 「ケシポン」大ヒット から引用させていただけば
昨年(2007年)の12月の発売前に、新聞の商品情報欄で紹介されたところ、問い合わせが殺到し、発売後3ヵ月は生産が追いつかず、品切れ状態が続いたといいます。初年度販売目標の60万個を今年6月には100万個に修正しましたが、それも10月までに楽々クリアしたほどの人気ぶりみたいです。
とされるに、 さぞかしお困りの貴兄の多くの壺に嵌ったのではないかと、 感じる処か此の身も何時かネットにて目にして何処かに引っ掛かっていた本商品こそ ケシポン なれ、 実はDM抔の届く度にDIY店で購入の 石原氏の同記事内にてご紹介は サンスター文具「シュレッダーはさみ」 其の物にて、 店舗より持ち帰り使用すれば其の利用度の高さに頗る満足させられ、 今現在も愛用しているのですが、 此れも処理数の少なさに依るものなれば、 シュレッダーに掛けた紙は繊維の寸断に依って再利用の難しさを聞くに、 此の ケシポン を文具店やDIY店に足を運ぶ折には知らず知らず目が棚を追い求めることになりそうです。

自働化とジャスト・イン・タイム

例に依って書肆を彷徨くに不図棚を見遣って我目を疑うは 当ブログは2008年9月1日のアーティクル 挙式ビジネスから大リーグまで でご紹介する 勝ち組ビジネスパースンの統計学 なる書籍に掲載さると言及のトヨタ自工元副社長は故 大野耐一 氏の直接の手に掛る トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして の背表紙に踊る文字に先ずは思う処の 常なるジャーナリストの世界有数の優良企業に追従せんと著したならんとにあらざれば、 平成2年に物故せしご本人其の人の著した物と脳裏で結び付くを待つに暫しの二度見、 漸う当該事実を認識するに至れば、 何たる僥倖、 即座にレジへと持ち出で購入の運びとなり、 終ぞ見掛けぬ本書の突然なる出現は1978年5月25日第1刷発行が、 隔てること30年近く、2007年12月26日第102刷発行を齎した ダイヤモンド社への感謝の念を胸に 其の週末から次の週末へと休日は本書を楽しみ読み読了と相成っての 当アーティクルのエントリーとなる顛末。

フェルミ推定

フェルミ推定なるが世に大いに流行すると云うのは、 当話柄を取り上げる書籍がベストセラーとなるが相次ぐらしく、 書肆にて一瞥さるも時折の成程と思われる発端となりしは、 IT業界の両雄、マイクロソフトにグーグルの入社試験で採用されたが一般に敷衍しとのこと、 命名の基づかれるは20世紀前半を生きた エンリコ・フェルミ(Enrico Fermi)氏なる大物理学者の考案せし思考法とて、 例えば其の一般に流布するを上げれば 電柱の日本を以て何本有するかを其の場で答えよ 抔が該当せんとあらば、 以前閲する記事を顧みるに、 ほぼ日刊イトイ新聞 に於ける2007年夏の任天堂、岩田社長のインタビュー 任天堂の岩田社長が遊びに来たので、みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ。 を想起せんのは 其の十 答えようとする力 として記載される中に引用させていただけば
糸井
ぼくがいつもおもしろいなぁと思うのは、 岩田さんって、急に質問したときに、 なんとか答えようとしてくれるんですよ。 その「答えようとする力」ってすごいんです。 だいたい、オレが岩田さんに質問して、 答えてもらえなかったことなんてないんだよ。
一同
(笑)
糸井
「どうして海外の電話って、 遅れて聞こえるんでしょうね?」って質問したの、覚えてます?
岩田
はい、覚えてますよ。
糸井
電波の速度って速いのに、 海外と電話すると届くのが遅れるじゃない? なんでこんなに遅れるんだろうって 岩田さんに突然訊いたんだよ。 そしたら、納得のいく答えを すぐに答えてくれた。
岩田
えーっと、昔の電話のほうが、 いまよりも遅れて聞こえていました。 いまの国際電話は海底のケーブルを 使うことが多いんですが、昔は衛星でした。 静止衛星というのは、 地球の表面から36000km離れた場所にあります。 つまり、一度、上空36000kmまで行って、 そこから36000kmかけて帰ってくるので、 合わせて70000km余りかかるんですね。 「もしもーし」「はいはーい」 というやり取りをする場合は、 衛星とのあいだを信号が2往復するんです。 そうすると140000km強になるんですね。 光とか電波は1秒に約300000km動きますから、 140000kmの距離を動く場合は だいたい、0.4秒の間になるんですよ。 ですから、現実に 「もしもーし」「はいはーい」を体験すると、 0.4秒のタイムラグができるんです。
糸井
これを、一気に答えたんだよ。
とある岩田社長の思考法こそ正しくフェルミ推定にこそあれと存知候巾、 任天堂の繁栄も然もありなん哉。

初期ビジネスモデルについて

Big Canvasなる組織を立ち上げ、 iPhone向けアプリを提供する中島聡氏のブログ Life is beautifulの2008年10月10日の記事 iPhone向けお絵描きソフト「SmallCanvas」リリース は同組織のiPhone向けの新サービスはお絵描きソフトとされる SmallCanvas の告知であり乍、初期ビジネスモデルについて興味深い知見が、 現在進行中の経験をも携え掲載されています。

教科書通りに行けば、 初期の資金の調達には目指すビジネスモデルの形態と、 その損益分岐点を超える迄の目論見が、 確たるべくビジネスプランとして書類に纏められるが束にして、 其の筋に提供されるのが本筋に聞き及び、 その実効性たるや如何、 思えば集めたお足の使い道の判然せねばM&Aに走るがIPO流行の常道だったかの如くあり、 氏も当該経験の持たれるに言及しておられれば、 今回は教科書は用いずに行こうとは、 Big Canvasにてはビジネスモデルは遣り乍見付けると云う段取り、 場当たり的と云わば云え、仮令投資家からの調達は受けられねども、 引用させていただけば
 2000年に私の一つ目のベンチャー企業として起業したUIEvolutionを経営して、一つはっきりと分かったことは、最初からビジネスモデルがキチンと作れているベンチャー企業なんてほとんど存在しない、こと。成功するベンチャー企業に欠かせないのは、「完璧な戦略・ビジネスプラン」などではなく「市場から学んだことをもとに柔軟にプランを変更していける適応能力」。

 それならば、どのみち大幅に書き換えなければならないビジネスプランの作成に無駄な時間を費やすよりは、「まずは無料版のサービスで市場に出て、そこからビジネスのネタを見つけ出して行く」というメタ・ビジネスプラン、というのもありだ、というのが私の考え。
なる確固たる主張の語られれば肯んぜざるを得ぬ力強さに、 果て、これなるは如何なる既視感かと己に問えば、 取り出だしましたるは積み重ねられた傍らの書籍の山から、 最早古典たるビジネスマン必読の一冊 ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 にもビジョナリーカンパニーたる条件に数えられしや否や。

今後あらゆる方面から要求される人材

特にインターネット企業は喉から手が出るほど数学科出身者を欲しがっており、 高額な報酬と潤沢なストック・オプションを用意している。 マサチューセッツ工科大学のトム・レイトン応用数学科教授によると、 同教授のクラスでは、学生全員がヤフーとグーグルから高額のオファーを受けたそうだ。 いまや数学の修士や博士はグローバル・エリートと言っていい。 その数は、おおざっぱな推定では五〇〇〇人しかいない。 だが一昔前に一世を風靡したハーバードのMBA軍団をしのぐパワーをもっている

The rise of mathematics is heating up the job market for luminary quants, especially at the Internet powerhouses where new math grads land with six-figure salaries and rich stock deals. Tom Leighton, an entrepreneur and applied math professor at Massachusetts Institute of Technology, says: "All of my students have standing offers at Yahoo! and Google ." Top mathematicians are becoming a new global elite. It's a force of barely 5,000, by some guesstimates, but every bit as powerful as the armies of Harvard University MBAs who shook up corner suites a generation ago.
以上は Business Week に於ける Stephen Baker 氏の2006年1月23日の記事 Math Will Rock Your World からの引用にて邦訳は村井章子氏に依るものです。

現状を鑑みれば極めて妥当な見解だと考えます。
人は易きに流れるもの、 其処を耐え此の道を知った上では刻苦勉励せよとは自戒の念、 吾人の経営者たれば此の道の人材を求め、 吾人の子弟の年少たれば此の道を示唆し、 吾人の学生たれば此の道を志すのも、 なかなかに床しき方策に存知ます。

セミナーの見分け方

屡有益な考察を吾人の元へと届けてくれる、 有限会社アズモードの宮脇睦氏が、 今回も世に数多存ずセミナーについての、 夜店のヒヨコの雌雄の区別宜しく、 有益無益の見分け方について、自身の体験から持論を展開し、 説得力のある論を掲載してくれているのが Web担当者Forumの氏の連載コラム Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる企業ホームページ運営の心得 の2008年10月1日の記事 自治体主催のセミナーがダメな理由。時間浪費型セミナーを見分ける方法 にて有効なるセミナー見分け法が具体的にいくつか行間に垣間見える怒りと共に紹介されれば、 当方法を利用すれば当然乍、有益なセミナーとて勿論存ず上では、 多くのセミナーから有益なセミナーを抽出するのに役立ち、 何とかして己に有効な知見を得んと苦闘される方に用立つ記事と考えます。

紹介記事に於き、時間浪費型セミナーと切って捨てられているのは、 此処数年来ベストセラーのテーマとなっているインフォプレナーものであることが興味深く思え、 中にも氏の実体験セミナーとの決裂の直接の引鉄となりし部分の引用の
あるJavaScript系の技術を紹介し「どこにでも落ちている」といい、「ちょっと詳しい人に“ちゃちゃっと”つけて貰えばいい」と言い放ったので席を立ちました。ネットの事実とはいえ「技術」への敬意を持たない人と過ごす時間が耐えられませんでした。
とある此の気持にはシンパシーを抱かざるを得ず、 なんとなれば、それが仮令子供の頃の泥団子作りでも ものづくり に技術は欠かせず、 過去なる偉人を見渡しても、レオナルドダビンチと云い、エジソンと云い、本田宗一郎と云い、松下幸之助と云い、 技術に対して敬意をはらわぬは見出すを不能、 特に松翁に至っては己の出来ないことを為す人には敬意を以て頼みごとをしたと聞き及べば、 ちゃちゃっと なるは成程、上澄みの美味しい処を攫わんと狙う、 己でものをつくることをしないブローカーらしき云い様だと大きく首肯せしめられます。

斯く云う当人も書肆にては面白く立ち読みすることの多い インフォプレナー諸氏には楽しませてはいただいているのですが、 現代の無尽講には少々注意が必要でもある様だと自戒いたしました。

J-SOX法

J-SOX法を具々ってみれば情報の過多に依るものか、 なかなかクリティカルと思われる情報の得られず、となれば其の様な時の定番は頼みの綱、ウィキペディアには 金融商品取引法 3.6.日本版SOX法 が項目立てられ、依れば、 金融商品取引に於き義務付けられる内部統制報告書の提出に関する部分を指して一般的に「 日本版SOX法 」あるいは「 J-SOX法 」と呼称する様です。 となれば重要なるは 内部統制 にて此れも同じく、ウィキペディアには 其の物ズバリ 内部統制 として項目立てられるを、概要以下適宜引用すれば、
内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の 4つの目的
  1. 業務の有効性・効率性
  2. 財務報告の信頼性
  3. 法令遵守
  4. 資産の保全
が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の 6つの基本的要素
  1. 統制環境
  2. リスクの評価と対応
  3. 統制活動
  4. 情報と伝達
  5. モニタリング
  6. ITへの対応
から構成される。
と、上手く纏められる様に思います。

扠以上鑑みて、分かった様な分からない様な際には御本尊を拝むに若くはなく而して以下 金融商品取引法施行令
(昭和四十年九月三十日政令第三百二十一号)
最終改正:平成二〇年七月四日政令第二一九号
とあるを閲すれば、 矢張り、分かった様な分からない様な、 Web上になかなかクリティカルな情報の見つからないのも、 簡便な理解を求める自らの責任と法文の責任との合わせ技にて 宜成る哉と頷けようと云うものです。

企業体拡大の是か非か

書肆にてその書名を拝見すれば なぜ会社は大きくすると潰れるのか とあるを天の邪鬼にも、然れば当ブログ2008年9月1日の 挙式ビジネスから大リーグまで で書評は 勝ち組ビジネスパースンの統計学 に登場の トヨタマクドナルドセブンイレブン も存在するまいと、高を括って拝見するに、 今となって思えばと己の分を見誤れるを充分理解し乍、 更に今もたらればの悔恨の念に思い悩まされるはなかなかに身につまされる思いがします。

作中にも記される如く、往々にして経験者とは申せ 上梓されるは成功の経験、成功譚が大勢を占め、 失敗譚もあれども管見に著者の充分に立ち直っての後、 若しくは失敗者に代わりて代理の者の記す処なれば、 其れなりの資本金を有す企業体を破産せしめるも生々しい、 無念の色も濃き、臍を噛み締める時期に著述、出版の為されたことが本書の価値に思います。

挙式ビジネスから大リーグまで

当ブログ2008年5月8日のアーティクル 21世紀日本発 超高層免震技術 での 1兆円市場を拓いた男 の書評に
タイトルも私の様な愚かな人間が手に取りやすい安っぽい「一兆円産業」抔が踊りますので
と記したをなぞるが如き、此度書肆にて手に取りレジへと運ぶ冊子の表紙に踊る言の葉の 勝ち組 とは又もや根性も浅ましきを窺わせる其の当の書籍名とは 勝ち組ビジネスパースンの統計学 なる、専攻を応用統計学とする経済学博士、福井幸男氏に依り上梓されし、 決して専門知識を必要としない雑学的な読み物ビジネス経済本の、 本アーティクルのタイトルは其のサブタイトルに縁るものにて、 挙式ビジネス とは元は貸し衣装業を営んでいた ワタベウェディング が経営者独自の統計的データの着眼点に依りビジネス展開の業態、 大リーグ とは球界にて知る人ぞ知るセイバーメトリクスの創始者、 ジム・ジェームズ 氏の打率、打点、防御率は数値として、犠打は戦略として無用にて、 其の主張こそ松坂、岡島両投手の所属するボストンレッドソックスを、 バンビーノの呪い より救出せしめた立役者とも噂され、 扨其の最も重要視する数字とは、、、
は本書162、168頁をご一読の程のあられたく、 以外にも
  • トヨタ(128頁大野耐一元副社長)
  • マクドナルド(142頁レイ・クロック氏の標準化)
  • セブンイレブン(146頁POS導入時NEC社長)
抔(括弧内特筆エピソード)、錚々たる企業の成功因を統計学的見地から、 門外漢に判り易く、簡便なる説明のなされています。
上記にて勿体振り、出し惜しむ程に興味の惹かれた ジム・ジェームズ 氏譚の他にも、 ヘルプセンターの設計に際し、 一日に掛る電話本数にオペレーターの対応できる本数、 例えば10本の対応の可能なオペレーター10人が居れば、 一日に100本の電話が掛けられた際、 一人一人の待つ確率は本書57頁に拠れば 100% 、抔も一寸した謎々として面白く、 又、巷間囁かれる統計の嘘に関しては 相関分析 の手法を取り上げることで説明されています。

116頁から数頁を割く百貨店のエピソードでは、 国民的アイドルフーテンの寅さんの啖呵売でも御馴染、 東急百貨店として其の歴史を全うした、 白木屋 や、米経営学会双璧、 ピーター F.ドラッガーマイケル E.ポーター のエピソード抔、 ビジネス入門書として充分に楽しめる書籍でした。

農薬を使わない林檎の奇跡

林檎の育成について、どれ程分かっていないかと申せば、 当アーティクルに当タイトルを立てるが如きにて、 農薬を使用しない林檎栽培は何の植物より有り得ないと云うのが常識であるのは、 実は今の林檎のイブの食せし野生の林檎とは最早異なった果実なるらしく、 先ずは其れを本書

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録

で学んでより、読み進めるに 此の農家の間の常識をも覆す可く艱難辛苦を重ね達成の日の目を見た木村氏の物語にて、 読む者に感動を催させしめるに違いないのは、 NHKで放映され評判を取ったと云う番組の唯の転載ならぬ筆者石川拓治氏の筆力も相俟ってのことは確かとは云え、 其の木村氏の執念ともつかぬ求道者の修行が如き行跡なればこそと感じます。

就中、遂に自決を決意した木村氏が月の谷間に丸々太った野生の林檎を見つけるシーンは圧巻です。