お名前.comで管理するドメインの管理者情報を書き換えて他IDに付け替える

成る可くなら他人のドメインなど管理するものじゃありません。 特に面倒なのがITの専門家を自称しながら適当な知識も持たぬ微妙な人物のもので、 其の人物が自分の都合ばかり主張する上に依存心が強くてなおコスト意識も低ければ最悪です。 好意で管理していたものが思わぬ仇となり返って来ますから出来るなら手放してしまいたい、 と思うのに同意される向きも全国で見れば割と多いのじゃないかと思います。

但し唯に当該ドメインの失効を待つだけでは後々面倒なことにも成り兼ねません。 最悪を考えれば訴訟に発展するでしょうし、 上記の如き人物であれば先ずは謂れ無き苦情を受けるのは必定だからです。

今回、自身に此の如き事象が発生し難儀しました。 或る事情に因りお名前.comの自身のID内で管理せざるを得なくなった問題人物のドメインは 今年2013年12月初旬に失効期限を迎えます。 お名前.comからは半年前から更新手続きをしない限り定期的に当該通知がメールで届きますので、 転送メールに事情を添えて問題人物に送り続け、 SNSなどを通し返事を催促しましたが梨の礫、 余りの手間に、さて11月下旬に最終メールの旨をした処、慌てて処理を依頼される迷惑な次第。

無料のサービスを強要される無益な関係は成る可く辞退申し上げたい処ですので、 転送メールにも継続管理は引き受けられない旨、記しておれば、 渋々ながらも自分で管理することを承諾したようなしないような返信もあり、 適当なレジストラでIDを取得してが必要となるのでしたがレジストラの説明も手間で ではお名前.comでIDを取得して欲しいと要請するも、 様々な処で専門家を自称しながらセミナーなど開催するにも関わらず、 IDの取り方が分からないので教えて欲しい、と此処でも無料サービスの依頼が来る始末で 別案件の詰まる中にメール応対に手間を取られるのは辛く、 通常は無料ではサービスは受けられないと言う社会常識を 好い歳した大人に説明しなければいけないのかに首を傾げながらも四苦八苦して了解を取り、 当該ドメインの管理IDを付け替える作業の発生した次第。

ドメインのWhois情報

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ドメインは各自が世界で唯一つのものとして管理されており、 其の保有者も明確にされWhois情報として検索出来、 其れは以下のようなものとなっています。

  • 登録者情報(Registrant)
  • 管理担当者情報(Admin)
  • 経理担当者情報(Billing)
  • 技術担当者情報(Tech)

今回当該ドメインを問題人物の管理下に移すに当たり此のWhois情報を書き換えます。 流石に此の様な事情では移管先での書き換え作業を期待も出来ず、 また移管してしまえば最早如何ともし難いからです。

お名前.comに於けるドメイン情報

お名前.comでWhois情報で検索された際表示される管理者情報を書き換えようと、 書き換え対象ドメインをNavi TOPページの管理下ドメイン一覧でクリックして表示される中から 全ドメイン担当者情報を変更する ボタンをクリックすれば下の図の如く項目が表示され、 チェックボックスをクリックすれば当該情報を編集出来ます。

お名前.comに於ける登録者情報変更時の問題

此れを変更しようと上から順に見れば 登録者情報の変更 に於いて姓名の部分が変更不可となっており、右上を見れば 登録者名義変更 ボタンが有りますので成る程此れを変更するのだ、 と必要情報を入力して確定すれば少々面倒臭い事態が招かれました。 以降ドメイン情報の変更が不能となってしまうのでした。

此れを元に戻すには登録者情報の変更をキャンセルするしかありせん。 お名前.comのサポートにキャンセルの方法を問い合わせた処、 登録者情報変更時に届いた件名 [お名前.com]登録者名義変更 受付通知 のメールに内容が分かるよう引用返信するに当たり件名文頭に 【キャンセル希望】 と追記する、と言う回答を得られました。 此の方法を試みた処、スムーズに変更キャンセルは処理され、 手元のお名前IDで管理可能に戻せるようになりました。

取り返しは付きますが煩雑ですし、 今回の様な作業に於いては登録者情報は最後にした方が宜しいでしょう。

管理可能なメールアドレスで登録者情報を変更する

登録者情報以外の変更は特に問題も無いでしょう。 他のネームサーバー情報などと同じく、変更すれば登録者情報に設定したメールアドレスに 情報変更完了通知が届くのも同様です。

此れ等の情報を変更すれば最後に登録者の名義変更となりますが、 今回上記の問題が発生した為に取敢えずはメールアドレスだけは管理下のものにして 登録者情報を書き換えました。 すると新登録者としてのメールアドレスに [お名前.com]登録者名義変更 承認依頼 なる件名でメールが届きますので、文面に記されたURLで承認作業を実施すれば、 登録者情報は正式に変更と相成りました。

登録者情報を書き換えても依然としてドメインは管理下あり、 登録者情報のメールアドレスの編集も可能となっていましたので、 此れを今回移管する相手のものに此の時点で書き換えました。

登録者情報の確認の為の手順だとは考えられますが、 此の様な手順を踏めば任意の相手の編集可能となりますので、 面倒な手間が発生するお名前.comの仕様は如何なものかと思わせられた次第です。 お名前.comの対応は丁寧且つ迅速で、 問題への対応も円滑に進められましたが根本的な仕様変更が求められる気もします。

ドメインのお名前ID付け替え時の問題

此れでドメイン移管の事前準備が完了したので次は当該ドメインの管理権限を移します。

何度も手続きをしなければ失効するだけであり、 失効したくないほど大事なものであれば自分自身で管理するのが インターネット及び独自ドメインを利用する最低限のリテラシーだと説きはしたものは 矢張り今回の問題人物は忙しくて時間が無い、分からない、などとして自ら手続きを踏もうとしませんので、 此方も継続管理は辞退を決めており、妥当な人物を紹介する旨申し出れば、 どうやら問題人物は頼む先を見付け、其方と然るべき処理を進めて欲しいと依頼を寄せて来ました。 頼む先は此方も知る先であれば致し方なしと連絡を取って 向こうの指定のお名前IDにドメインを付け替えようとしましたが此処でまた問題が発生しました。

お名前IDの付け替えは お名前.com会員情報 から お名前ID付け替え へと進み、お名前.com会員情報―ドメインNaviご利用ガイド 〔※1〕 なるページを参照すれば方法が載っていて 付け替え先のIDと共にパスワードが必要となるのが分かります。

他人からドメイン管理を依頼されるような処では幾つものドメインを管理しているのが通常で、 流石にパスワードを聞き出す訳にも行きませんし、聞き出すべきでもありません。

以前今はお名前.comと同様にGMO社の資本下にある バリュードメインで管理IDの付け替えをしましたが其の際は 特に付け替え先のパスワードは必要有りませんでした。

確かに片っ端から無差別に他人のIDにドメインを移管出来る仕様も如何なものかとは思いますが、 さて付け替え先のパスワードが必要なのも如何なものでしょう。 例えばオースコードの様な緩衝情報を用いるなど、此の際は然るべき仕様変更が必要なように思いますが、 取敢えずは目の前の問題を解決しなければならないのでした。

お名前ID付け替え時に既存IDではなく新規発行を選択する

付け替え時には選択肢が2つ有り、一つが既存IDでした。 此れが選択不能となればもう一つの お名前IDを新規発行して付け替え を選ぶことになります。 其の方法の説明も、お名前.com会員情報―ドメインNaviご利用ガイド 〔※2〕 に用意されています。

移管先管理者の情報を入力して新規登録する訳ですが、 此処でも矢張りメールアドレスのみは自身の管理下にあるもので登録しておけば 登録後の確認作業の煩雑さが一つ楽になるでしょう。

お名前ID付け替え作業

新規お名前IDを作成の後、お名前ID付け替えを確定すれば 以下の図の様に表示される筈です。

完了が表示されています。 では新規に作成したお名前IDアカウントではどうなっているか、 作成時に入力したパスワードで発行されたIDにログインして、 管理下ドメインを一覧したのが下の図です。

確認が出来れば、後は此のIDとパスワードを移管先の管理者の渡すだけです。 移管先では此のIDから自らの管理下のIDにドメインを付け替えても良いですし、 又は此のIDを継続して利用して貰っても別段構わないでしょう。 後者の際にはパスワードや秘密の質問と答えなど、 必要事項を変更して置くように申し添えた方が尚良いでしょう。

他人のドメイン管理は気を付けて

IT関係の作業に於いては成果に形の無いものが多く、 なかなか其の価値を認めて貰えないことが多いものです。 加えて好意からでも最初に無償か其れに近い形で提供すると 尚更相手は其の価値を軽んずる傾向があります。 今回のドメイン管理など其の最たる形かも知れません。

其れでいて一度問題が発生すれば大事にも成り兼ねない性質を孕んでおり、 此れを引き受ける際には余程の覚悟が必要になるものと考えておいた方が宜しいでしょう。 引き受けるには然るべき対価を以て契約するか、 若しくは或る程度の経済的ボリューム関係を有した際に請負うに留めておいた方が良いと思われます。

近年ではコストも劇的に下がり、 手軽にホームページ作成などと称するサービスにおまけ感覚で提供されもしますから、 気軽に何の覚悟も知識も無く独自ドメインの運用がなされますが、 初期に交わした数年間のドメインの契約も失効期限を迎えれば 孰れ今回の如き問題が近い将来、表出するのではないかと予測されるものです。

使用写真
  1. END EMINENT DOMAIN ABUSE( photo credit: christina rutz via Flickr cc
参考URL(※)
  1. お名前.com会員情報-ドメインNaviご利用ガイド:既存IDにドメインを移す
  2. お名前.com会員情報-ドメインNaviご利用ガイド:新しいIDを作成しドメインを移す